改めて、「心の癖・体の癖」の基礎について書き残しておきたいと思います。
人間の背骨は、首の部分にある頸椎(7個)、背中の部分にある胸椎(12個)、腰の部分にある腰椎(5個)で成り立っています。
腰椎の一番上の腰椎1番は大脳の働きと繋がっています。
目や頭を使いすぎると、硬直を起こす場所。
季節でいうと冬に緊張しやすい場所です。
ただ、実は冬だけでなく、年中ここに力が集まっている人もいます。
これは生まれつきのものです。
他に、2番に力が集まっている人、3番に力が集まっている人・・・3番、4番、5番というパターンがあり、人間の体のタイプは5つに分類することができるのです。
よく観察してみると、その5つのパターンには実にはっきりとした違いがあります。
体型、行動の速度、趣味の傾向、しゃべり方、価値観・・・などの違いとして現れているのです。
1番に力が集まっている人を例に挙げてみましょう。
一番上にある背骨が体の中心点となっている訳ですから、体型は上に伸ばしたような、ヒョロッとした体つきをしています。
体の動かし方も上下運動が多く、フワフワと体を浮かすようにして歩きます。急に呼び止められると首を伸ばすようにして顔を上げます。
腰椎1番=大脳にいつも力が集まっているので、とにかく物事を頭脳で考えるようになっています。
急な出来事に対しても、動く前に考えることから始めます。
言われた言葉にもじっくりと考えてから返事をするので、どうしても返事が遅くなるし、口げんかも弱い。
売り言葉に買い言葉・・・なんていうことはまずあり得ないタイプですね。
じっくり考えているうちに時間がたってしまい、相手はすっかり忘れていたりもします。
更には頭の中で答えが見つかった時点で気が済んでしまうので、肝心なことを言わないまま終わってしまったり、計画を立てただけで実行に移さない・・・なんていうこともしばしばあります。
頭を使うのが得意ですから、本を読んだりするのは大好きです。
難しく理屈っぽい縦書きの本をスラスラ読んだりしますが、そういう文章を通して頭の中で空想を広げるのが得意です。
学者や哲学者、評論家に多いタイプですが、学生の場合だと割と成績の良い優等生タイプ、といったところでしょうか。
その代わり体育は苦手で、あまり目立たない存在・・・
もちろん例外はあるのですが、このような特徴は、腰椎1番にいつも力が集まっているからこそ発生するものです。
他の腰椎に力が集まっている人には、真似しようとしても完全には真似できないのです。そういう体の構造なのですから。
2番の人には2番の、3番の人には3番の特徴があります。
だからどうしても、人それぞれに価値観の違いがあったり、生活のリズムが違ったりということが起きてくるのです。
逆に言えば、自分の価値観は実は1/5の価値観でしかないのです。
(実際はもっと細かく分類できますから、1/10、さらにもっと少なく…とも言えます。)
「あの人のこんな所が理解できない」「この子のこういう所を直させたい」・・・そんな思いも、実は自分の狭い価値観の中で生まれたものにすぎないのかもしれません。
せめて、同じ人間でも随分と違いがあるのだということ、それは生まれつきの体の構造の違いが背後にあるということを頭の隅に置いておくだけでも、人の見方が変わってくることでしょう。
※心の癖・体の癖(体癖)については『心の癖・体の癖』PDFテキストでさらに詳しく説明しています。