今回は骨盤の中央にある「仙骨」という骨について書いてみたいと思います。
骨盤といえば腰の両側に出っ張っている、象の耳のような骨を思い浮かべる人が多いでしょう。
この左右の大きな骨(腸骨)を後ろ側でつなぎ止めている骨を「仙骨(せんこつ)」といいます。
骨盤は背骨の土台となっているわけですが、実際に背骨とつながっているのはこの仙骨です。
仙骨の先には尾骨(尾てい骨)があります。
骨盤の真ん中であり、背骨の土台でもある骨ですから、その役割は非常に大きく、様々な意味を持ちます。
体の柱である背骨の土台なわけですから、当然、その役割は大きいはずですね。
ところで、よく「骨盤のゆがみ」という言葉を耳にするかと思うのですが、実際のところ、骨盤そのものは、そう簡単には歪みません。
骨同士が強くくっついているからです。
よく言われる骨盤が開く、閉まる、というのも、とてもとてもわずかな動きでしかなく、見た目でわかるほど動くわけではないのです。
ただ、骨盤にかかる重み、テンションは日々変化しています。
そしてそのテンションのかかる部位、動きの発生する場所が仙骨です。
たとえば、精神的緊張が激しい時には、骨盤にも緊張が起こり、骨盤を引き締めるかのような力が発生します。
あまりにそういう状態が続いていると、骨盤内部の生殖器の働きも滞ってしまいます。
生理不順、生理痛などを訴える人にそういう人は多いです。
そういう人の仙骨部を触ってみると、固く感じられます。
実際に骨の固さが変わるなんていうことはあり得ないはずですが、触ってみるとその緊張が伝わってくるのです。
余談ですが、整体法の極意は、この物質的に変わっているはずのない身体的変化を、手で感じられるかどうかです。
仙骨には八つの穴が四対になって存在します。
その中でも、上から2番目に位置する左右の穴が大きく、そこは急所とされている場所です。
最も変化が感じられるのがその場所です。
緊張度の強い人は、特にそこを触ると固く感じられます。
そして適度に押さえて「愉気」をすると、穴が広がって柔らかくなるかのようにゆるんできます。
逆に体の力が抜けてしまっているような人は、そこがズブズブと弛緩したような感じになっていたり、干からびたかのような感触を感じる人もいます。
そして、この2番目の穴あたりを中心に、お尻が下がっているような体勢になっています。
元気な人はここが上にせり上がっていて、お尻に張りが出てきます。
そしてここがしっかり上がっていると、腰も反って姿勢がよくなります。
そういう人は肌も綺麗です。
年を取ってもなんとなく艶があります。
この場所は性的な働きにも影響している場所で、ホルモンの働きにも大きく影響しているのでしょう。
なお、妊婦さんの仙骨はやたらと刺激しないようにしなければなりません。
といっても、普段ご家庭で仙骨を刺激するようなことはないと思いますが・・・
ただし、妊娠中にマッサージや整体などに行かれる方はじゅうぶん注意してください。