整体で用いる急所(ツボのようなもの)のうち、特に重要な場所のことを「活点」(かってん)と言いますが、今回は「痢症活点」と呼ばれる場所を紹介します。
痢症(りしょう)の「痢」とは、下痢の痢のことです。
昔は「赤痢」「疫痢」などといった病気がありました。その「痢」でもありますが、要するに、毒の排出を誘導するための急所、というような意味があります。
心理的な要因で起こる下痢も時々ありますが、そうではない時の下痢というのは、毒を出そうとして起こっているものです。
体が身を守ろうとして起こしている自浄作用というべきでしょう。
ですから、それは止めるべきではなく、しっかりと出し切るべきものです。
その排泄を促す急所が、お腹の右側にある「痢症活点」です。
ここを押さえて「愉気」することで排泄が速やかになります。
もう少し専門的になると、ここを押さえ込んで刺激することにより、排泄を煽ることができます。
その結果、一旦下痢が激しくなることもありますが、しっかり出し切ることで止まります。
痢症活点はその肝臓の位置にあります。
右のろっ骨のその下のラインがポイントです。
正確にはそのライン上の一点、みぞおちの右、あるいはもっと下の窪みが感じられる場所・・・といういくつかの説があるのですが、経験上、そのあたり一体がポイントとなっています。
そしてその中の、特に異常感がある場所を捉えていく、というのが専門的な施術法です。
ただ一般的には、中毒症状を起こしている時にはその辺り全体が腫れたように、あるいは熱を持ったようになっていますから、そこを何度か押さえては離す、を繰り返します。
それも少々難しいかもしれません。その場合、全体に掌を軽く当てて、たっぷりと愉気をします。
しかし食中毒など激しい症状が出ている場合は、これだけでは足りませんから、病院で処置を受けつつ、この方法を併用してください。
また、急なな中毒ではなく、慢性的な中毒症状の場合にも用いられる急所です。
簡単に言えば血液の汚れです。
体内に取り込んでしまった毒が長期間に溜まっているような人は、肝臓もオーバーヒートしてしまいます。
よくお酒を飲む人がそうですが、食品に含まれる化学物質、砂糖、脂分などの刺激が強い物の摂りすぎでも起こります。
また、体にいいとされている栄養分でも、体が必要としている分量以上のものは不要物と同じです。
栄養が凝縮されたサプリメントを多用している人に肝臓の疲れが見られることは意外に多いです。
その他、汚染された空気、皮膚から染み込む薬品など、その原因となるものは様々です。
いずれにしても、肝臓の疲れ、血液の汚れが気になる人は、ここをチェックしておくといいでしょう。
また、アレルギーなどの症状がある人にも、この痢症活点は重要なポイントです。
気になる方、正確なこの場所の押さえ方等を知りたい方は、整体の時間におたずねください。