昨夜、近くのライブハウスで、あるセッションイベントを観賞してきました。
しばらくの間、みんなで好き勝手に楽器を鳴らしていたのですが、そこに一人のお子さんがステージにあがってきました。
まだよちよち歩きの赤ちゃんです。
両手にドラムのスティックをにぎり、ちょうどドラムを叩いていたお父さんの真似をして、両手を振り回して楽しそうにしています。
やがてお父さんに抱きかかえられてドラムの前に座ると、さらに嬉しそうに、勢い良くドラムをドン!ドン!と鳴らしています。
しばらくその様子を見ていたら、何となくその子なりにリズムを刻んでいるようなのです。
お父さんが叩くドラムとか、普段家で聞いている音楽が耳に残っているのかも知れません。
実際にはどうなのかわかりませんが、普段から太鼓を叩いて遊んでいるかのように見えました。
やがてドラムの前から離れても、ずっとスティックを握りしめたまま、いろんなところを叩いてはリズムを刻んでいました。
ずっとそうやって楽しそうに遊んでいたのですが、ある時に突然スイッチがOFFになって、突然上半身だけ椅子に突っ伏せて、直角の姿勢で眠りに落ちました(笑)
子どもはみんな、歌やお遊戯が大好きですよね。
特に太鼓のように、リズムを刻むものには強く興味を示します。
大人もそうなんですが、メロディーやハーモニーよりも、まず人間はリズムに反応するようです。
時々音楽に反応する動物もいますが、それもメロディーよりもリズムに反応しているようです。
赤ちゃんのおもちゃも音が鳴るものが多いですが、それも赤ちゃんが音に反応するから。
それもきれいなメロディーに反応するのではなく、一定のリズムに反応するんですね。
昔から定番の、ベッドの上に吊るしてグルグル回るおもちゃなんかも、回る時に流れる音のリズムと共に、回転する動きのリズムに惹かれるわけです。
1時間毎に音が鳴る時計となんかも大好きですよね。
立って動けるような年頃になると、必ずその音楽に合わせて小躍りする時期があるでしょう?
そうやって、小さい頃にいっぱいリズムに親しませてあげると、とてもリズム感のいい子に成長するようです。
というより逆に、小さい頃に思う存分歌を歌ったり、リズムを奏でたりするという経験の少ない子は、何だかいろんな面でリズム感が悪くなる傾向があります。
喋りにも何かリズム感がなくてたどたどしい、動作にも流れがないし、物事の組み立てもあまり上手じゃない、「流れに乗る」ということが苦手なんでしょうね。
ある人は、子どもの頃に歌を口ずさんでいると、親に注意されたり、嫌な顔をされたりした覚えがあるそうなんです。
それは「行儀が悪い」「みっともない」というような理由だったようなんですが、とにかくそのせいで、歌や踊りを楽しんだ覚えがないのだそうです。
大きくなってからは学校でも音楽を習うし、自分でCDを買って音楽を聴いたりもしていたそうなんですが、何故かその人、リズム感が異常に悪かったんです。
で、歩き方とか、仕草をみても、何か気になるんですよね、リズム感が悪いというよりも、その仕草の中にリズムが存在しない感じなんです。
話を聞いていても、何故か耳にすんなり入ってこない。
リズム感のある人の話っていうのは、内容にかかわらず、すーっと耳に入ってくる感じがあります。
だからミュージシャンとかダンサーの人の話って、何だか聞いていて心地いいんです。
子どもをあやす時って、自然にリズムのある言葉遣いになりますよね。
子守唄なんていうのは特に独特のまったりしたリズム感があります。
ちなみに子守唄のあのリズム感っていうのは、やっぱり骨盤が大きく開いたお母さんのリズムなんですよ。
もちろん、出産時に開いた骨盤もしばらくすれば元に戻りますが、やっぱり一度開いた経験のある経産婦とそうでない人の骨盤は違います。
本物の子守唄って、やっぱりお母さんじゃないと歌えないんじゃないかと思います。
言葉で人を導くセラピーなんかも、絶対にリズム感がないとダメでしょう。
文章にだってリズムがある。
整体操法やその他様々な療術だって、リズムが悪いとうまく体に染み込みません。
日常会話や日常の様々な動作、作業なんかもそうですが、とにかくリズム感が根底にあるのとないのとでは、大きな違いがあるはずです。
それには何と言っても、最もリズムに敏感な赤ちゃんのうちから子どもの頃の間に、リズム感が養われるべきことだと思います。
といっても無理矢理習わせて鍛えるのではなくて、楽しんでいくうちに自然に身に付いていくことが大事でしょう。