ある業界の大家と呼ばれる方の対談の中に、印象的な話がありました。
その人は、あまり他人に教わったことがないのだというのです。
自分自身で色々研究し、試行錯誤して道を切り開いていったのでしょう。
ちゃんと習ったことと言えば、車の運転ぐらいのものだ、と言います。
教習所で運転を習いながら、「これは楽でいいなぁ」と思ったのだそうです。
確かに、教官に言われた通りのことをしていれば卒業できます。
自分では何も考える必要がない。
楽といえば楽です。
で、「楽でいいけど、こんなことばかりしていたら惚けてしまう」
と感じたというのです。
ところで、私はとても器の小さな人間でして、人から簡単に「教えてくださいよ〜」と言われると、つい嫌な気分になってしまうんです。
他人に「教えて欲しい」と言うからには、既にもう自分の知識や経験では答えが出せないレベルにまできている、ということだろうか?
逆に言えば、そこまで調べて、考えて、試行錯誤した上で、それでもわからないから尋ねているんだろうか・・・と考えてしまうんです。
こんな私って、気難しい性格なんですかね(笑)。
時々、「私も整体に興味があるんですよ、教えて下さいよ」なんて言う人がいます。
中には、「こんど話を聞かせに来て下さい」なんていうことを言っていた人もいます。
そんなもの、自分から習いに来るべきでしょう(笑)
私はホームページでたっぷりと情報を公開していますし、勉強会や個人別の整体もやっているわけです。
それ意外でも、世に中には整体の情報がたくさん出回っています。
まずは、自分で今すぐにでも調べられるんですよね。
本当に興味がある人ならば、既に自分で調べていると思うんですよね。
その上で、「さらに教えて欲しい」と言っているなら、喜んでお教えしたいと思うんです。
だけどそういうことをする事もなく、なかなか読んでいる時間がないとか、読んでも分からないとか、言う人がいるんですね。
ちょっと私には信じられません。
その人がどんなに「私は真剣なんです」と言おうが、「本気なんだけど、本当に忙しくて時間がないんです」と言い訳をしようが。
その人の本気度というのは、言葉よりも行動に表れているものですから。
そもそも、整体を教わるとなると、ホームページや資料に書いてある情報の何十倍、何百倍もの情報量を身につける必要に迫られます。
時間がないとか分からないとか言っている人に、教えることなど出来るはずもありません。
しかもその中身というのは、長年にわたる試行錯誤の結晶のようなものです。
「ちょっと教えて」と言われて教えられるものでもなければ、教わったところで理解できるものでもありません。
まぁ、こんな頑固な考え方も、今の時代には合わないのかもしれないですけどね。
近頃は「整体」や「治療院」なども次々『店舗』を増やすチェーン展開が主流になりつつあるそうです。
そのために、技術はもちろんのこと、集客や「予約の取り方」まで完全にマニュアル化して、短期間でスタッフを養成して店舗を任せるのだとか。
そういう人達と「同業者」として扱われることは大変不本意ですが、そう言う私も、昔はマニュアル的指導を受けた経験があります。
だからあまり偉そうなことは言えないのですが、それでも、私の場合は、マニュアル通りでうまくいった経験というのがあまりなくて、逆にその行き詰まりから、長年の試行錯誤が始まって、今に至ります。
そういう意味では、マニュアルの外側に、そして行き詰まりの中に、いつも答えの種があるんだと思っています。
今、マニュアル通りのことを行っている人達にも、もし行き詰まって道を探しているのならば、お教えできることがあるかも知れません。