当塾の入り口には、会津名産品の小さな「起き上がり小法師」が置いてあります。
倒れても、倒れても、また起き上がる。
私自身もそうでありたいと思いますし、心や体の健康とか、心身を丈夫に育てるということにおいても、本当に必要なのは、そういうことなんだと思うのです。
「失敗や苦しみから学ぶ事は多い」とか、「失敗は成功の元」とか、だいたいそのようなことは、どんな成功法則の本、心理系の本、スピリチュアル系の本にも、表現の仕方こそ違いますが、似たような意味のことが書いてあるものです。
感動的なドラマや映画の背景にあるメッセージなども、だいたいがそのようなものです。
華々しい結果を出したスポーツ選手でも、そこに至るまでには、不甲斐ない敗戦や調整ミスなどの失敗を数多く経験したはずです。
そしてその度に、心ない批判の声、選手個人への誹謗中傷も数多くあったはず。
だけど、その失敗や苦しみのおかげで、よりいっそうの努力をして、結果を出すに至ったわけですよね。
そして見ている私達は、そこから「失敗や苦しみから学ぶ」ことの重要性に触れ、感動を覚える・・・
・・・はずなのに、いざ自分が失敗するとなると、どうしてもそこから逃げようとしていまいがちです。
失敗を認めず、人のせいにする人もいます。
人のせいにするためには、自分が「被害者」であることを一生懸命アピールしなければなりません。
そのためには「加害者」を立てることが必要になる。
自分がかわいそうな被害者であることを証明するには、相手ができるだけ凶悪な加害者として描いたほうが都合がいい。
そのために厳しく相手を攻撃する、そして自分はより多くの「被害」や「苦労」を負わされたと訴える。
そのためには、実際に「被害」や「苦労」を自分の手元に引き寄せようとする、そんな力が働いてしまうのです。
失敗を恐れて、正解ばかりにこだわる人もいます。
失敗しない条件を必死にそろえ、完璧に準備をし、整ったことしかしない。
人の言う事も完璧にこなします。
間違わないために必死で、いつも肩に力が入っています。
そして人の言う事やマニュアルにばかり忠実で、いつの間にか、本当の自分の姿を忘れてしまっています。
失敗を恐れるあまり、最初から成功を期待しないという癖がついている人もいます。
成功のハードルを下げれば、確かに失敗の確率もへるでしょう。
80点を合格ラインにするよりも、30点を合格ラインにしたほうが気が楽ですしね。
しかしそういう人は、いつも30点ばかり取っていて、いつまでも残り70点の世界を知らないままでいます。
そして80点を取る喜びも知らないまま、「人生はこんなもんだ」とうなだれています。
倒れても、倒れても、また起き上がる。
起き上がろうと力をこめた時に初めて、その力が身になります。
だからすぐには立てなくても、立とうとすることで力が増します。
痛い痛いといつまでも嘆きながら、寝てばかりいる人には、その力がつきません。
起き上がるためには、転ばなければなりません。
転ばぬ先に杖をついている人にも、いつまでも力がついてきません。
すぐには真っ直ぐに立てなくて、フラフラになっていても、それでもまた起き上がる。
しばらくは揺れながらでも、やがてバランスの取り方が身に付いてきます。
だけどずっと何かに寄りかかっている人は、いつまでも一人で立つ事ができないでいます。
失敗も、苦しみも、味わうことで強くなる。
逃げるといつまでも追いかけてくる。
失敗や苦しみの本当の意味に気づいてくれるまで、しつこく追いかけてきます。
・・・とまぁ、そんな思いを込めて、当塾の入り口付近に、起き上がりこぼしを飾っておきます。
どうぞ指で突いてみてください(笑)
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