「よく眠れない」「寝起きが悪い」という悩みを抱えている人も多いかと思いますが、今回は眠りと寝起きについて考えてみたいと思います。
よい眠りの条件として様々なことが世間では言われていますが、その一つが寝具についてです。
寝具が合わなければよく眠れないのは確かに当然のことです。
でもそれは、柔らかい布団がいいとか、固いほうがいいとか、そういう問題ではないのです。
中には全ての寝返りを吸収するようなクッション性の高いマットの上で寝るのがいい、という説もありますが、寝返りは体の偏った疲労や歪みを取るための運動でもありますから、それを全て吸収してしまうようなベッドはあまりお勧めできません。
ならばどの程度の固さで、どのような布団がいいのか…というと、それは数値で表せるようなものではないのです。
簡単に言えば、自分自身が一番寝心地がよいと感じるものがベストです。
枕の高さや固さについても同じで、要するに自分が一番合うと感じたものがいいです。
どんな科学的データや何千人分のアンケート結果よりも、最も合う高さ・固さは自分の体が分っているはずです。
低いほうが寝やすいのなら低いものが合っています。
枕を使わないほうが楽なのならば、使わずに寝ればいいだけです。
ただ、特に枕の場合は、日によって会う高さ・固さが異なる場合もあるので、数種類用意したり、タオルやクッションなどでいつでも高さを変えられるようにしておくのもいいでしょう。
就寝時間や睡眠時間を気にする人も多いようですが、これも数字で決められるものではありません。
疲れた日には早く眠くなるし、体力が余っていればあまり眠くなりません。
日によって違うのは当然です。
なかなか眠くならない日は、眠くてたまらなくなるまで起きて動いていればいいのです。
それから眠るとぐっすり眠れます。
早く寝ないと8時間の睡眠が確保できない、などと焦る必要はありません。
睡眠はその日失った体力を回復するためのものであって、翌日使う体力を準備するものではないのです。
そもそも眠くない日は短い睡眠時間で事足りるわけですから、翌日の睡眠不足を心配する必要はありません。
眠る直前の食事は、できるだけ避けたほうがいいでしょう。
食べ物を消化するということは内蔵にとってかなりの運動です。
盛んに運動をしながらよく眠れるなんていう人はいないわけで、できるだけお腹が軽くなっているほうがよく眠れるはずです。
寝る前の食事を控えると、目覚めがとてもよくなります。
そして起きてしばらくするとだんだんお腹がすいてきます。
そういう人は、朝食もおいしく感じることでしょう。
しかし、食欲のない人まで無理に朝食をとる必要は全くありません。
無理に食べると余計に頭も体も重たくなります。
眠る直前のお風呂も、眠りを妨げることになる場合が多いです。
お風呂あがりは通常よりも体が熱くなっていますから、それを冷ますために体の中では様々な働きが起こっています。
寝る前の食事と同じで、風呂上がりも体が活発に動いている状態ですから、よく眠れるタイミングではありません。
その他、眠りや寝起きを悪くする要因は様々なものが考えられますが、実は一番多いのが、心理的な面での要因です。
特に寝起きが悪い人に多いのですが、それは毎日の生活に対して不満や不安、ストレスを多く抱えている人です。
要するに、朝起きて、その日一日を始めるのがいやなのです。
頭の中では「早く起きて頑張らなければ」と思うのだけど、体は「潜在意識」の言う事のほうを素直に聞きますから、なかなか反応してくれません。
ひどい人は、眠ることにさえ抵抗を始めます。
眠るとあっという間に朝がきてしまうからです。
あまりに眠りや寝起きが悪い人は、一度ゆっくり休むなり、自分の心と素直に向き合ってみるなり、思い切って行動を起こしてみるなりして、今の生活をしっかり見つめ直してみることも大事でしょう。