質のよい眠りは身体の健康のためにも、精神の健康のためにも大変重要なものです。
眠りは身体の疲れを回復させると同時に、神経の緊張、頭の中の疲れをリセットさせるからです。
よい眠りに就くために最も重要なことは、リラックスすることでしょう。
当然のことですが、興奮状態のまま眠れる人はいません。
激しい運動をした直後には眠れないものです。
同じように、激しく頭を使った後も、すぐには眠れないものです。
テレビやDVDでサスペンスドラマを見たせいで、頭が興奮して眠れない、というような話はよくあることです。
とにかく眠る前には、体にも心にも、あまり刺激を与えないようにしましょう。
余計なことも、明日の仕事のこともできるだけ考えない。
眠る直前に考えたところで明日の仕事がうまくいくわけではないですから、それは明日考えようと腹を決めて眠ったほうがいいのです。
意外に思われるかもしれませんが、入浴直後は心身ともにリラックスできているとは限りません。
体のほてりがしっかり収まっていないと、眠くはなりません。
なので、就寝直前の入浴は、本当はあまりお勧めしません。
眠っている間に見る夢について、時々聞かれることもあるので、これも書いておきましょう。
見た夢の内容がどんな意味を持つのか、その解釈は様々です。
「夢日記」のようなものをつけている人もいるそうですし、夢占い、夢分析なども様々なタイプのものがあるようです。
当塾では、夢については、「頭の中の整理整頓」である、と考えています。
大変おおざっぱな言い方ではありますが、頭の中に取り込んだ様々な情報を整理整頓している最中に、断片的に映像化されたものの一部が記憶に残っているものなのではないか?ということです。
だから夢というのは、多くの場合辻褄があっていなし、曖昧にしか覚えていない、すぐ忘れてしまうものが多いのでしょう。
時々はっきりと覚えている夢もありますが、それは特に刺激が強いものを処理する時に出て来ているのかもしれないし、同じような種類の夢を見るというのも、そういうものかもしれません。
ともかく、頭(心)に受けた刺激を処理しているわけでもありますから、その内容にはあまり執着しないでいいと思います。
勝手に見させておけばいいのです。
見た分だけ、整理整頓が進んだ、掃除が進んだ、と考えていいのではないでしょうか。
とても恐い夢を見てしまった、というような時でも、心配することはありません。
それだけの刺激が頭の中に溜まっていて、そして抜けていったんだと思えばいいのです。
恐い夢を見ている時は、必ず歯を食いしばり、首や肩にも強力な力が入っています。
そのような時というのは、「腰椎1番」という、腰の上部にある部分にも強い緊張が走ります。
腰椎1番というのは、体を起こす時に最も力が入る場所です。
だから目が覚めるだけでなく、時には体を起こして飛び起きてしまいます。
そして、飛び起きた後に汗が出ます。
汗が出ることで、体はその緊張を解きほぐそうとします。
金縛りなんかも、こうした現象により起こっている可能性があります。
夜中によく目が覚める、夢をよく見る人は、常に神経の緊張があると考えられます。
「腰椎1番」も固くなっている人がほとんどです。
そして首、肩にも常に力が入り、みぞおち(腹部)も張っています。
こういう状態をほぐしていくと、フーッとお腹の奥まで息が入ってくるようになり、肩の力も抜けて頭が軽くなります。
整体を受けた人が、よく眠れるようになったり、あるいは受けている最中に早速眠りに落ちてしまう人が多いのは、そのためです。
たまに寝言を言う人もいますが(笑)、それも頭の中の整理整頓が早速始まった証拠でしょう。