体のねじれと心のねじれ

体と心の話

固く締まったペンのキャップを外す時、なかなか取れない壁の画鋲を外す時など、無意識のうちにそれらを捻っているものです。

ただまっすぐ引っぱるよりは、回しながら引っぱった方が力が入り、抜けやすいはずです。

 

逆に固い壁に画鋲を刺す時も捻りながら差し込みます。

このように、「捻る」という動きは強い力を生むものですが、人間の体においても同じです。

 

体が捻れる原因には様々なものがあります。

例えば急に冷えた時。

冷えから身を守るために私達は体を縮めますが、急な冷えに対しては縮みにも左右差が起こり、捻れてしまうのです。

だから一日中冷えている冬よりも、寒暖の差が大きい秋のほうが捻れやすいのです。

 

他には、急に力を入れた時や、重みがかかった時などにも捻れますが、何かに対して「頑張ろう」としている時にも捻れます。

ただそれは気楽に、楽しく頑張ろうという時よりも、何かの困難を乗り越えて頑張ろう、というような時に起きやすく、言い換えれば「負けてたまるか!」というような心理状態の時です。

体を捻って力を生み出さなければ乗り越えられないという、普段の力では及ばない大きなものに立ち向かう時に起きます。

だから捻れると、言うことも少し大げさになる傾向があるんですが…。

 

まぁこういう場合は積極的に捻っている、ということも出来るんですが、逆に周囲からの重圧に耐えている時、必死で我慢している時というのも捻れます。

何かを守り通そう、というのもそうでしょう。

そのために、捻れると周囲の意見に反発するようになり、頑固になるという傾向もあります。

 

そのように頑固になっている時に、何とか言いくるめようとして説得すればするほど、相手は更に頑なになるものです。

そして余計に捻れてしまう・・・しまいには説得する側も意地になって捻れてしまう、なんていうこともありますが、その捻れもピークに達すると爆発します。

殴り合いのケンカになったり、物を壊したりするのがそうですね。

ひどい場合だと事件を起こしたり。

 

ゴムを捻る時のように、圧力を加えれば加えるほどその力は圧縮されます。

そしてこれ以上捻れないところまでくると、もの凄い勢いで弾けてしまいます。

体の中で、そのような事が起こっているわけです。

 

だから、その圧縮された捻れを時々抜いておかないといけません。

意外とこれは簡単なことで、勢いよく体を捻り、急に力を抜くことを繰り返せばゆるんできます。

 

 

捻れているということは力が内攻している状態ですので、それを発散させれば抜けてしまいます。

実に単純なことで、走り回ったり、大声を出したり、サンドバッグを叩いたりするだけでスッキリすることがあるのはそのせいです。

捻れると、そのようなちょっと荒っぽいことを自然にやりたくなるものです。

 

ちなみに、誰もが必ず捻れる時期が反抗期です。

子供から大人へ、その重圧に耐え得る身心に鍛えるため、体を捻り、色々なものに反抗しつつ丈夫になっていく時期です。

だからその頃には荒っぽい行動をしたり、激しいスポーツに惹かれたりするんですが、それもある程度自然な行為と言えるでしょう。

しかし、それに対する抑圧、そしてそれまでの抑圧がひどいと、爆発するので要注意です。

 

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