時々いただく問い合わせの中に、「原因や治療法がわからない重い病気が整体で治りますか?」というものがあります。
または、「余命を宣告された、あるいはされてもおかしくないような病気なんですが、治りますか」というもの。
大変重要な話であり、深刻な話です。
非常に回答が難しいのですが、やはり大事なことなので、ここでも答えておきたいと思います。
整体の「法的位置付け」について
面倒な話ではありますが、こういった質問にお答えするにあたっては、法的な立場の面からも説明しなければなりません。
整体というもの、そしてその他「民間療法」と呼ばれるようなもの、・・・これは「医療」とは別物です。
法律上、それらを医療として用いることができないようになっています。
医師の資格を持っていない者が、病気を治療する、治す、診断する、というような行為に携わることはできません。
したがって、整体を行う側の者が、その技術を特定の病気治療を目的として用いることができない、という決まりがあります。
もちろん「診断」をすることもできませんし、病名をつけることもできません。
「どれくらいで治るか」とか、そもそも「治るか、治らないか」ということさえ、判断する権利を持ちません。
付け加えますと、本来病院で行われるべき治療を妨げることも法に触れる行為となります。
中には西洋医学を強く批判し、病院に行かないように言う人もいるようですが、それは医療妨害とみなされてもおかしくありません。
福井自然体健康塾では、クライアント様から「○○病じゃないでしょうか?」と尋ねられた時は、必ず「気になるのなら、病院で検査してもらったほうがいいですよ」とアドバイスしています。
これは法的立場うんぬんというより、病名が気になる人は、病院で調べてもらって、はっきり白黒つけたほうが確実に安心するからです。
仮に、その結果重い病気が見つかったとしても、その事実から目を反らすわけにはいきませんから。
以上、法的な観点から書きましたが、今重い病気で悩んでいる人や、そのご家族にとってみれば、法がどうのこうの、立場がどうのこうの、という問題はどうでもいいことかもしれませんね。
そんなことより、治るのか治らないのか、そこだけが気になるところでしょう。
よくある「奇跡的治癒」について
余命宣告を受けていたほどの病気が、とある民間療法のおかげで奇跡的に回復した・・・
そういう話を、メディアを通して聞いたことがある人は多いと思います。
あれはどこまでが本当なのでしょうか?
私自身、複数の「不治の病から復活した」という人に、直接お会いしたことがあります。
民間療法を通して治ったという人もいれば、少々実態のはっきりしない、新興宗教のようなものに何かに関わることによって回復した、という人もいます。
それがその民間療法の力なのかどうか、そこはきちんと実証することができませんが、もしかすると、その背景には強い暗示効果もあるのかもしれないな、とは経験上思っています。
ただ一方では、それら療法に関わった人の中で、その人のようには治らなかった人も複数いる、ということは申し上げておきたいと思います。
福井自然体健康塾における対応と実例
こういったことから、福井自然体健康塾では、『整体であらゆる病気が治る』というようなことは言っていません。
曖昧な表現ではありますが、心身を整える、本来もっている力を高める、もっとわかりやすく言うと、自然治癒力を高める、ということでもあります。
実際には、今までに重病に悩まされている方も多くいらしています。
当塾では、そういった方々に、必ず病院にて適切な診断、指導を受けているかを確認しています。
どうしても、ご本人の固い決意で現代医療を拒む、という覚悟を決められているのであれば無理強いをしませんが、そうでなければ基本的に病院には行ってください、と伝えています。
その上で、その人の体が持っている最大限の力を発揮できるよう、施術を行います。
重い病の方、体力を失っている方には「愉気」をじゅうぶんに行います。
過去の例で言うと、動かないと言われていた部位が動くようになったり、病院の治療の副作用が整体を受けることによって楽になった、病院での治療を受けつつ無事回復できた、というような事例もあります。
ただこれは、全ての人に該当することではない、というのは先ほど書いた通りで、これは福井自然体健康塾においても同じです。
ではそのように回復した人と、思うような結果が得られなかった人、何が違うのか・・・
それが一言二言で言えるほど、病や命、人の体や心というのは単純なものではなく、まだまだわからないことだらけ、というのが正直なところです。
なかなかブログ等にはかけないようなデリケートな部分もあるのですが、以上が現在の、福井自然体健康塾の見解です。
ご縁のある方には、当方の施術、当方とのやりとりが、どんな形であれ、その方の手助けになることを願い、施術・指導をさせていただく所存です。