今回はお腹の話になります。
お腹には骨がありませんから、人の体の中で一番動きやすい場所はお腹です。
ですから、お腹の部分こそ、実は様々な歪み、偏りなどの癖が表れる場所、と考えることもできるんです。
いっぽう、よく歪みが問題視されている骨盤というのは、固く大きな骨の塊です。
しかもその関節部分(仙腸関節や恥骨結合)というのは、他の関節と違って動く範囲が極端に狭い・・・というか、関節と呼びづらいほどに動かない場所です。
実際のところ、骨盤の状態に水面下で影響を与えているのはお腹です。
腹部の様々な筋肉は骨盤に繋がってもいますし、その筋肉群の状態が、実は骨盤の状態を左右しているんです。
とは言っても、これはほぼ無意識のうちに入っている筋肉の力の影響のようなもので、しかも長期間に渡ってその緊張が続いた結果、骨盤に影響を与えているんです。
骨盤の矯正法として、骨盤部に外側から圧をかけて締めたりとか、足を外向きに開く力を加えて骨盤を開くとか、そういう刺激というのはどうもあまり効かないようです。
骨盤は多くの場合、右側が閉じやすく、左側が開きやすいという傾向があります。
右の閉まりが強く目立つ人と、左の開きが強く目立つ人がいるのですが、右と左とでは随分意味が違います。
骨盤に限らず全身においていえることなんですが、ほとんどの場合、右半身というのは前方に向かう力が入りやすい、つまり引き締まりの力を入れやすい側なんです。
ですから、たとえば気合いが入り過ぎているとき、気負っている時などは右の締まりが強くなります。
自分を強くアピールしたい時、積極的になにかを訴えたい時などもそうです。
さらに言うと、怒り、不満をアピールしたい時、などもそうです。
いっぽう左側というのは、「支え」となる力が入りやすい側です。
ブレーキの役割も果たします。
左側は「自分を抑える」というような時に力が入りやすいのです。
自分の内側に感情を押し込んだり、あるいはショックなことを自分の内側に秘めておいたり、というような状態です。
あとは、何かに対する不安、恐怖心、心配などといった受け身な感情というのも、左側に溜まるのです。
「受け身」というのは、何かの出来事が起こったり誰かが言ったこと、つまり自分の外側で起こったことに対しての反応、という意味です。
ですから心配性の人とか、先々のことまでちゃんと考えておかないと気が済まない、というような人は左側に出ます。
こういう人は胃が痛くなったり、心臓がドキドキしたりします。
胃や心臓は体の真ん中から左側に位置する臓器です。
いっぽう、右側の臓器で一番大きいのは肝臓です。
肝臓は「怒りの臓器」などとも言われていますね。
骨盤の偏りがあるのは右か左か、体の右がおかしいのか左がおかしいのか、これらは単に姿勢とか足の組み方によって起こるのではなく、実はこうした背景があることが、お腹の観察・操法からは見えてきます。
そして骨格を見た目上まっすぐにした所で、何も解決しないのだということもわかります。
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