「酒は百薬の長」なんていう言い方もよく耳にすると思いますが、お酒は本当に身体に悪いのでしょうか?
長年の整体の経験から、今回はこのことについて書いてみたいと思います。
一般的に、お酒は肝臓に負担をかけるというように言われていますが、これははっきりとその通りです。
アルコールが肝臓に負担をかけるわけですね。
そもそも、アルコールは身体にとっては毒でしかないものですから、体内に入ってきたアルコールは処理して体外に出さなければなりません。
その役割を第一に担うのが肝臓ですね。
ですからやはり、常習的にお酒を飲んでいる人は肝臓に疲れがたまってきます。
そういう人の背中を見ると、胸椎9番を中心に、背中の真ん中あたりの右側が腫れたようになっています。
細かく言うと、背骨の割と外側のところが腫れたようになっているのが初期症状。
それが慢性的になってくると、腫れたというよりはカチカチに固まってきます。
そしてだんだんとその固くなっている部分が背骨に寄ってきて、背骨のすぐ際に脂の塊のようなものが出てきたらかなり重症です。
その頃には様々な症状が身体に出はじめているかと思います。
しかし肝臓の部位そのものが痛くなったりするわけではないので、そういう人はなかなかお酒のせいだ、ということを認めない傾向があるのが難しいところ・・・
症状としては、疲れやすい、だるい、というばかりでなく、その硬直のせいで身体もかなり傾いていますから、足腰の痛みが現れていたり、目の問題、皮膚、肩こりや四十肩、頭痛、脳の問題も起こりがちです。
ちなみにこのように、肝臓にダイレクトに負担をかけるのは焼酎、ウィスキーなど、比較的アルコール度数の高いお酒をよく飲む人です。
飲む量自体はさほど多くなくても、アルコール度数が高ければ当然、負担がかかりますよね。
とはいっても、そういう人はけっこう量を飲むんですが・・・
いっぽう、ビールはアルコール度数が比較的低めなものですから、ちょっとぐらいですぐ肝臓を悪くするほどではないようです。
ただ、ビール好きの人はとにかく量を飲む、がぶ飲みする傾向が強いせいか、肝臓よりも腎臓に負担をかけている人が多いようです。
整体的に見ると、胸椎9番よりちょっとした、10番の外側が腫れたようになっている人が多いです。
そしてもう少し下、腰椎部の外側も腫れてきます。
ビールは一気に量を飲む上に、すぐトイレに行きたくなりますよね。
キンキンに冷えた大きなジョッキを、あっという間に空にしてしまったりします。
そして続けて2杯、3杯と・・・
よく考えてみると、同じ量の水を一気に飲めるかというと、なかなかそれは苦しいはずです。
しかしビールなら飲めてしまいます。
そこが危険なところでして、本来なら飲めないはずの量の水分を一気に摂取してしまう、しかもアルコールや糖質などを含んで・・・これがビールの怖さです。
ビール好きな人はとにかく体がむくみますが、これも腎臓の疲れの表れです。
夏は冷たいビールが美味しい季節ですが、だからこそ逆に、夏になると腎臓が悲鳴をあげる、そして夏の後半になるといよいよ限界に達して、背中が痛い、腰が痛い、頭痛がする、全身がだるい、という人が増えてくるのです。
お酒の美味しさ、楽しさというのももちろんあるのですが、「酒は百薬の長」とはとても言えるようなものではありません。
大抵、大酒飲みの人の言い訳に使われる言葉ですね(笑)
少量を楽しむものであって、本来身体には毒である、その毒を溜め込まない程度に味わうものだ、と思っていたほうがいいかもしれませんね。
とにかく決して溺れてはいけないものです。