腹筋の緊張は「感情の抑圧」に関係が深く、ふだんからあまり固くするのは良くありません。
そして、この腹筋との関連が深く、連動しているのが首の筋肉です。
主に首の横から前面に位置する胸鎖乳突筋、斜角筋などです。
腹筋に力が入り、固くしている時には、首の筋肉も同時に固くなっている場合が多いです。
この首の筋肉は、頭を前に起こす時に力が入る筋肉です。
試しに仰向けになって、頭を浮かそうとしてみると、ものすごく首に力が入るのがわかるはずです。
その時に、お腹に手を当ててみると、同じように腹筋もピンと緊張しています。
ですから、仰向けでの「腹筋運動」をしている時などは、お腹・首を強く緊張させることになります。
首を緊張させている時というのは、精神的・心理的な緊張がある時です。
たとえば、仰向けで寝ている時に、急に大きな物音がしたり、急に名前を呼ばれたりすると、「ビクッ」として頭を持ち上げ、周囲の様子をうかがうはずです。
周囲の状況に対して反応している、気を張っているような状態、これは明らかに緊張状態です。
そしてこの時、首にはかなりの力が入っています。
さらに腹筋にも力が入っていますが、この緊張が強い人は、寝ている時に物音がしたりすると、首だけでなく、上半身全体をサッと起こしてしまいます。
逆に考えると、普段から首や腹が腹がゆるまない人というのは、周囲の状況に対して気を張り過ぎている人が多いのです。
本人は気にしているつもりがない場合も多いですが、本人がどんなに「リラックスしています」「いつも気楽に、穏やかに過ごしています」といっても、首が(同時にお腹も)ゆるんでいなかったら、それは思い込みでしかない、ということです。
また、首の前~横の筋肉は顎に繋がっていますから、歯を食いしばっている時にも強く緊張します。
歯を食いしばること自体、強い心理的緊張がある時の仕草ですから、やはりここからも首と心理の関係性がうかがえます。
しかも、歯を食いしばるというのは、何かを我慢する、自分自身の素直な感情や不安を押さえ込む時に、無意識のうちにする動作です。
そういうことからも、感情の抑圧=首の緊張=腹筋の緊張といったつながりがあることがわかります。
首が固い人が気を張るのは、周囲の状況に対してばかりではありません。
まだ起きていない未来のことにまで、気を張ってしまう傾向が強いのです。
「こんなふうになったらどうしよう」と、先々のことを悪いふうに考え過ぎてしまうのです。
まだ来ていない未来のことですから、悪くなるとも良くなるとも限りませんし、それ以前に、悪くするも良くするも本当は自分次第のはずです。
だけど、悪いほうを考えてしまう。
そして、「自分次第」というように考えることが苦手なのも首の固い人の特徴。
これも要するに、「周囲」のほうを気にしすぎるからなんです。
未来は「自らの行動によって創り出せるもの」ではなく、「周囲の状況によって決定づけられるものだ」という考えに偏りすぎているのです。
だから首の固い人は「運命論」とか「予言」「占い」といったものに怯える傾向が強いのです。
自分では「そういうのは気にしない、あてにしない」と思っている場合も多いのですが、いざ「このままだとあなたの未来は・・・」なんて言われると、首の前の筋にキュッと力が入り、顔が前に出てきます。
顔が前のめりになるということは、やはり不安なのです。
不安で、本当は聞きたいという無意識の表れなのです。
首が固いと、よく眠れません。
寝ても眠りが浅いし、起きた時に首や肩が痛かったりします。
寝る前にあれこれ考えすぎていると、特にそうなります。
先々のこととか、上司や近所の人の顔色とか・・・そういうことを思い浮かべてはあれこれ考えていると、眠りが浅くなります。
というか、なかなか眠れなくなります。
そんな時は、とにかく考えることをやめるのです。
といっても、やめようと思うだけではやめられませんから、いっそ起き上がってしまって、何でもいいから体を動かすといいのです。
部屋の掃除をするのでも、テレビを見るのだっていいです。
とにかく何か別のことをするのです。
そうしてあれこれやっているうちに眠くなる、眠くなるということは、首がゆるんできたということなんです。
人は首を起こしたまま眠れませんから、首がゆるまないと眠くならないのです。
首を温めたり、ストレッチでほぐすこともその補助になります。
いずれにしても、首が固くなりやすい傾向のある人は、まず上記のような緊張状態が自分の中にある、ということを自覚することも大事です。
その上で、しかしその緊張は、実は自分の頭の中だけでつくってしまった、まだ起きていない未来の心配だったり、推測でしかない周囲の反応であったり、自分自身で設けてしまっている制限であったりという、実態のないものだという認識を持つことも大事です。
つまり、架空のものでしかなく、現実のものではない、ということです。
だから、今頭の中に渦巻いている「問題」に、「答え」など出す必要は全くないのです。
そもそも、未来の答えなんて存在しないわけですから。
それでも頭が悪い方向に回り出したならば、とにかく頭より体を動かすことです。
眠れないという人は、特にそうです。
大変厳しい言い方かもしれませんが、首が固いということは、首を締められているようなものです。
締められているというより、首輪を付けられているような状態です。
その首輪を付けているのは、実は他でもない、自分自身なのです。
私達はもっと自由な発想ができ、自由に動き回れる存在であるはずです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
多くの方にお伝えするために、読んだらクリックでご協力頂けると嬉しいです。
↓ ↓
にほんブログ村