「顔色悪いね」「大丈夫?」という言葉

体と心全般

お会いしたことがある方はよくご存知でしょうが、私はかなりの色白です(笑)

日焼けサロンにでも行けば黒くはなるんでしょうが、何をどうしたところで元々が色白であることは一生変わりません。

 

むしろこういう色白の人間の肌が茶色や黒っぽくなってきた時のほうが心配です。

相当肝臓が疲れているとか、そういうことです。

 

女性の方にはときどき「羨ましい」などとも言われるのですが、私自身は、色の白さを指摘されることはあまり嬉しいことではありませんでした。

それは多くの場合が「不健康そう」とか「身体が弱そう」という意味を含んでいて、時には「気が弱そう」という意味すら含まれていることがあるからです。

 

この色の白さのせいか、ときどき心配されることがあります。

「どこか悪いんじゃないか?」「病気なんじゃないか?」というように。

 

しかしこのような言い方は、実は非常に良くない言い方なんです。

たとえそれが何気なくであったとしても、「ちょっと顔色が悪いんじゃない」と言われると、誰でも不安になってしまうものです。

いや逆に、何気なくだからこそ、心の隙間にスッと入り込んでしまうのです。

そうすると、頭の中で、「顔色が悪く見える、普通の状態ではない、他人が気にするほどだから、実はよほど具合が悪そうな顔色をしているのかもしれない…」という不安がどんどん広がってしまいます。

自分の顔色というのは、自分ではわからないから尚更です。

 

このように頭の中で広がってしまった不安というのは、なかなか収拾がつきにくく、あっという間にどんどん膨れ上がってしまうものです。

普段から心配性の人、病気がちの人だったらその傾向は特に強いです。

本当は何ともないのに、そういうことを言われたことがきっかけで不安になり、その日の夜に目眩を起こして倒れてしまった、なんていうことも現実にあるのです。

なのでこういうことは、不用意に口に出して言わないほうが無難です。

言っていいとしたら、責任をもって身体・心のフォローをしてあげられるプロに限ってのことでしょう。

 

ところが、プロと呼ばれるような立場の人でも、このような不用意な発言をして、相手を恐がらせてしまうことがよくあるようです。

よくある例では、病院で◯◯が悪いかもしれない、このままだと□□病になってしまうかもしれない…と、ネガティブなことばかり言われて精神的に参ってしまった、というような話も何度も耳にしています。

そういう危険性を指摘するのも大事なことですし、何でもかんでも楽天的にとらえるのもどうかとは思いますが、こういう恐怖感は何十倍、何百倍にも膨れ上がって、その人の身体や精神を内側から破壊していきかねない、ということをプロの人は知っておくべきだと思います。

その上で、きちんとした予防法や対策、治療法などを提示できるということが相手に伝わるのであれば、そのリスクは回避できるし、時には心強いプラスの指摘ともなるでしょう。

 

しかしそうでない場合、そのショックは、何年も、何十年も残ることがあります。

一時的には忘れていても、また何かあった時にふと思い出すのです。

「そういえば、以前□□が悪そうだって言われたな、やっぱり今でも悪いのかな…」と。

 

同じように、何気なく「顔色悪いね」「姿勢歪んでるんじゃない?」などと知り合いに言われたようなことでも、ずっとその時のショックは、いつまでも心の奥底に残っているのです。

当塾に来られる方でも、「よその整体院で骨盤が歪んでいるって言われたんです」と不安そうに言っている方が本当に多いです。

たとえば脚の長さや肩の高さの違いだけを見て、不用意に言ってしまったのかもしれませんが、そういうことを言う以上、重大な責任が言う側にのしかかっているのだということを、プロの人は自覚すべきだと思います。

 

未熟な施術者の場合だと、悪そうなところを見つけるとつい、「あ!ここがカチカチですね」「こってますね!」などとと不用意に、時には得意げに言ってしまうことがあります。

じゅうぶん気をつけなければなりません。

特に体に触りながら言う言葉は相手の潜在意識に入り込みやすいのです。

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