暑い季節になると、発汗に関する役割を大きく担う腎臓が疲れ気味になり、それから息が粗くなり(呼吸による熱の発散)呼吸器に負担がかかるようになります。
こういった理由があって、背中が丸くなってくる傾向があります。
腎臓は背中側にありますから、疲れてくるとその部分が後ろ下方に下がってくるわけです。
呼吸器が疲れると胸が閉じて、背中の上部が後ろに張り出してくる。
そうして猫背になってきた結果、最終的に負担がかかってくるのが背骨の根元です。
本当は真っ直ぐ(実際はカーブを描いてはいますが)立っているはずの背骨が後ろに傾いてくるわけですから、当然根元には異常な重みがかかってくるわけです。
たとえば電柱でも樹木でも、何らかの影響で傾いてくると、地面に接している部分がめくれ上がってきますよね。
人の体でいうと、その部分が腰椎の5番ということになります。
腰痛が最も起こりやすい場所ですね。
細かく言えば腰椎の5番と骨盤(仙骨)の境目ですが、実際にはもう少し広い範囲に負担がかかります。
なので、暑い時期にはこの辺が固くなっている人が増えてきます。
梅雨の時期からそれはもう始まっています。
ただ、まだ夏の前半頃までは、その負担もさほど溜まっていない場合が多いんです。
実際には負担がかかっているんですが、まだ何とか耐えられる、ごまかせる程度。
あと、鈍い人だと結構溜まっていても気づきません。
だけど触れてみると固くなっている人が多いです。
それが夏の中盤から後半ぐらいになると、その負担の蓄積も大きくなっていて、腰が重いと感じたり、急に激しい腰痛になる人が出てきます。
「腰が重い」というのは、「行動が鈍い」ということを指す表現としても使われます。
実際、行動が鈍い人は腰が固くなっていて、重いんです。
朝起きてもなかなか動き出せないという人も、腰が重いんです。
夏になると増えてきます。
そういう人は、腰の根元を蒸しタオルで5〜10分程温めてみると、やたらと気持ちいいです。
腰の重みも少し緩和されますから、試してみてください。
ちなみに、お年寄りには朝早く目覚めてしまう人が多いですが、これはむしろ腰が固いからなんです。
腰だけでなく、背骨全体がそうなんですが、固いものだから長時間同じ姿勢で寝ていることがつらくて、目が覚めてしまうんです。
だから早く目が覚める割には、日中何度も居眠りをしてしまいます。
まとめて長時間寝られなくて、分けて寝る必要性があるからです。
ところで、腰を固くする大きな理由がもう一つあります。
それは、頭を重たくしてしまうことです。
頭の使い過ぎです。
体の一番上の部分が重くなれば、当然根元にかかる負担も大きくなります。
頭をよく使ったからといって頭部の「質量」自体が変わるわけではないですが、頭や首にかかる力が変わるのです。
そして、考えてばかりいると、行動が鈍くなり、遅くなります。
その結果、文字通り「腰が重く」なるわけです。
そういう人は、まず思いついたことをすぐ行動に移す癖をつける、理由や効果・結果を考える前にまず第一歩・・・ということを心がけると、体や心にリズム感が出てきます。
また、脚をよく動かさないと、腰の根元(腰椎5番)の動きは鈍ります。
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