季節の変化に伴って、動物達は毛が生え変わり、草木はその色を変え、枯れる時期、実がなる時期・・・と、その姿形を大きく変化させます。
気づいていない人のほうが多いかとは思いますが、私達人間の体も同じように、季節・気候に応じて様々な変化を遂げています。
このように変化が常にあるからこそ、その体や心は柔軟性を保っていることができます。
常に同じ状態の中にいるのでは、変化についていけない、そして成長のない体や心になってしまいます。
しかし現代では冷暖房の普及によって、その気候の変化を感じづらくなってきています。
もちろん全く感じないわけではないし、いくら「自然がいい」と言ったって、冷暖房なしで夏・冬を乗り切ることは不可能でしょう。
お勧めもしません。負担が大きすぎます。
それでもやはり、そのせいで季節の変化についていきにくい体になっていることは否めません。
そこで、体はちょっとした強硬手段を取ることで、季節の変化に自らを対応させようとします。
それが季節の変わり目の風邪です。
特に季節の変化が急な場合にはよく起こります。
中でも、一日のうちで気温の差がとても激しい時期。
こうした変化を促すために、風邪には「必要性がある」ということを覚えておいていただくと、実際に風邪をひいた時にもある程度積極的に受け止められるのではないでしょうか。
そんな時に怯えて過ごすか、それとも落ち着いて経過を見守られるか、さらには自分の体の選択を信頼し、感謝できるか・・・
それによってその経過も随分と違ってくるものです。
ところで、こういった「変化」に対する身体の営みのしくみは、心理的な面でも全く同じことが言えます。
やはり人の心も、色々な変化にさらされていた方が瑞々しく、弾力のある状態でいられるのです。
今までと同じであるということは、ある意味安心できることではありますが、それではどんどんと視野が狭くなってしまい、心も体と同じように「硬直」するのです。
体が硬直していくととにかく動きが鈍くなりますが、心も硬直すると鈍くなる。
ちょっとでも今までと違うこと、いつもと違うこと、常識と違うことに出会うと不安で仕方がない、不快で仕方がない。
やたらと決まり事に厳しい人なんていうのもそうですね。
そういう人にとって、今までと同じ、「そのまま、今のまま、ありのまま」の安心というのは、まるで「癒し」のように感じられ、「居場所を見つけた」かのような喜びにも感じられてしまいます。
しかし、これがくせ者なわけです。
病気の人は病気のまま、不幸な人は不幸なまま、たとえ今がネガティブな状態であったとしても、やはり「今のまま」という仕組みが働いてしまうのです。
それでいて心の表面では「病気を治したい」「不幸から脱却したい」などと考えていて、自分までをも騙してしまう。
変化を起こそうとする時には「風邪」のような少々不快で面倒なことが起きるものです。
いや本当は、日頃からそういうチャンスはいっぱい身の上に起こっているのです。
しかしそういったことは「悪いものだ」として、まるで風邪薬で風邪を押さえ込んでしまうように、消し去ろうとしているのです。
嫌な出来事にも、季節の変わり目の風邪と同じように、自らの体や心が選択した積極的な意味がある。
たとえその意味が今はよく分からなくても、そういうものだと考えて向き合えば、いずれ一皮むけて、新しい季節を迎えられるようになっています。
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