風邪/インフルエンザと体の条件

冬になると体が引き締まる傾向が強いというのはよく言われていることですが、その引き締まりが強く現れる場所が頭蓋骨です。

もちろん全身の引き締まりが強くなるのですが、その引き締まりは上に上がって行って、頭頂部に達するようになります。

極端なたとえですが、タマネギがギュッと締め付けられたような形で、てっぺんの部分にしわ寄せがきます。

そして冬のピーク、だいたい年末頃ですが、頭頂部に強い緊張が集まるようになります。

まさにタマネギのような形で、頭頂部が尖る人もいます。

 

それが特にひどい人は、年末の頃になるとどこかに頭をぶつけることがあります。

普段はぜったいぶつけないような場所・・・たとえば毎日乗り降りしている車のドアの上とか、毎日使っている戸棚とか。

頭の緊張している時は必ず首も固くなっていますし、また、重くなった頭を支えるために、「腰椎1番」を中心に体を起こす役割を果たす背骨が鈍くなっています。

そのため、体の高さのコントロールがいつもより鈍るためなんでしょうか・・・

だけど、なぜかその時期には、上から落ちて来たものに頭をぶつける人もいるので、単にそれだけの理由ではなく、「頭を打って刺激したい」という本能が働くのかもしれません。

 

頭に緊張が集まれば、それだけ頭が重たくなります。

だからそれを支える首も緊張して固くなるんですが、実際には首よりも下の背骨まで固くなります。

肩甲骨の間、だいたい胸椎5番までが特に固くなるんですが、それは電柱や看板などを地面に立てる時、必ず地面の下にまで柱をめり込ませるのと同じ原理で、そうしないと重い頭を支えられないからです。

 

秋~冬には乾燥も強くなりますが、この乾燥の影響が出るのも胸椎5番という所です。

体内の水分の循環がおかしくなると、この部分が鈍るのです。

すると風邪をひきやすくなります。

それは風邪をひくことで、強引に体の中の崩れたバランスを取り戻そうとする働きが強くなるからで、風邪そのものが荒療治的な体の改善法になっているわけです。

 

ともかくこの場所は乾燥の影響も、頭の緊張の影響も表れるのですから、この二つは実はつながりがある、ということが言えます。

 

体が乾けば頭も緊張しやすくなり、頭の緊張が続けばまた、体も乾きやすくなります。

乾きは特に目に現れやすいですが、頭皮にも現れやすいです。

乾きと頭部は非常に関係が深いんです。

 

先ほど書いた「腰椎1番」という部分、これは体を上に伸ばしたり、後ろに反らせようとする動きの基盤となる場所なんですが、実はここも頭の働きに強く関係し、また乾きにも関係しているんです。

そしてまた、風邪をひいた時にも変動が現れます。

 

冬の始め、だんだん頭の緊張が強くなり、そして気温の低下と乾燥が一気に強くなる頃には風邪やインフルエンザが流行します。

それは上記のような箇所に変動が起こるためですが、つまり、乾きと頭の緊張が強い人が、風邪やインフルエンザにかかりやすい、ということができます。

 

この季節の風邪/インフルエンザには、胸のむかつき、吐き気を伴う場合が多いですが、それは実は、「胸椎5番」が胃にも大きく関わっているからです。

風邪やインフルエンザというと、ウィルスに対する警戒ばかりを強める人がほとんどだと思いますが、実際には、自身の体の内側で、このような現象が起こった結果感染する、ということが考えられます。

同じ環境の中でも、かかる人、かからない人がいるのは、こういった体の条件の違いがあるからです。

 

年が明けて一月の半ば頃、季節としてはまだまだ冬本番という時期なのかもしれませんが、体の引き締まりのほうは既にピークを過ぎ、徐々にゆるみのほうへと向かって行きます。

この頃にもまた風邪、インフルエンザが流行ります。

そのゆるみがなかなかスムーズにいかない、緊張の強い体の人がかかりやすい傾向があります。 また、年末年始の疲れが出ている人も風邪をひきやすいのですが、それは精神的な疲れとともに、食べ過ぎ、飲み過ぎが続いて消化器が疲れている人、つまりやはりこれも、胸椎5番に表れるような「体の条件」が原因としてあるんです。  

 

 

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