何度か書いていることですし、自分にとっても永遠の課題であるんですが、整体においてまず大事なことは、「相手の観察」です。
目の前にいる相手の身体から、どれだけ情報を読み取ることができるか、ということです。
しかも、パッと見ただけでは分からないような、身体の奥に隠れている情報を、です。
肩の高さが違うとか、足の長さが違うとか、見れば分かる程度の情報というのは、実は大して重要じゃないんです。
仮に肩の高さが違うとしても、なぜそのような違いが起こっているのか、その奥にある理由、さらにその奥にある理由・・・と、幾重にも重なったその背景を辿っていかなければ、真実は見えてきません。
というよりも、そもそもその歪みの起こりは、目に見えない程度の小さなものに違いないのです。
その歪みのバランスを取るために別の所に負荷がかかり、さらにその代償として別のところ・・・
その繰り返しの結果、最終的に表面にまで現れてきているんです。
実際の観察というものは、その歪みを見るだけではありません。
歪み自体が、表面的現象でしかないからです。
本当は、例えばその人の仕草とか、表情、動き方などからも、様々な情報が読み取れます。
もちろん会話の中からも読み取れますが、多くの場合はその発言内容ではなくて、その発言理由とか、発言している時の微妙な表情の変化とか、声の勢い、言い回し・・・など、言語の意味とは全く別のところに観察点があります。
しょせん、言葉で言っていること自体は表面的でしかないんです。
いくらでも取り繕えるし、自分に都合のいい言い方もできます。
自分で自分に思い込ませることだってできる、必ずしも、その人の心の奥にあるものをそのまま表しているとは限らないんです。
むしろ、そのまま表していない場合のほうが多いんじゃないでしょうか。
このことも、体のしくみとよく似ている面があって、たとえば「いい姿勢」なんていうのは、意識すれば割と簡単に作ることができるものです。
一時的になら、背骨を真っ直ぐに伸ばして、胸を張って、いかにも元気そうに、健康そうに見せることができます。
それを持続させるとなると少々難しいですが、それでもある程度鍛えた人・・・たとえばモデルさんのような人は、その姿勢を維持し続けることができます。
同じように、いかにも元気で前向きな発言というのは、ちょっと意識すればすぐ出来るようになります。
それを維持することも、ある程度ポジティブトークの訓練をすれば可能です。
だけど、そんな作られた姿勢や作られた発言にだまされているようではダメなんです。
よくよく観察していると、そういう作られたものには、ごく僅かに不自然さが出てきます。
まるであら探しのようですが、そこを見ていかなければなりません。
逆の面でも同じことが言えます。
ネガティブなことを言っている人とか、とてもネガティブな表情や姿勢をしている人でも、ごく僅かに、ポジティブな部分を持っているかもしれないのです。
自分でもその部分には気づいていないことが多いですが、そこにスポットを当てるということも、観察の重要なポイントです。
いずれにしても、今元気な姿勢をしているからOKだとか、暗い表情をしているから最近嫌なことがあったんだとか、身体や言葉に現れたものを、浅いレベルで見てしまうと本当のことを見逃します。
その表面に現れたものは、実はもっともっと深くまで繋がっていて、心身の底に碇をおろしてしまっているものかも知れません。
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