熱い日が続きまして、既に夏バテ気味のお体の人を見かけます。
急に真夏日が続くようになったせいか、熱さに対する体の準備ができていないのでしょう。
体の中の熱や水分の調整役を担っている腎臓が、早速疲れてしまったり、腎臓の持っている能力が追いつかない、というような人が多いようです。
そうなると、腎臓のある背中、腰の上のほうが、だんだんとだるくなってきます。
そして、後ろに下がってきます。
下がってくるというのは、具体的に言うと背骨が後ろに曲がってきて、猫背になるのです。
そうすると腰も丸くなり、お尻が下がってきます。
その結果、太ももの裏側が縮み、膝が曲がってくる。
そのため膝頭は前に出て来て、そこに体重がかかるものだから、膝が痛くなる・・・というような連動も起こってきます。
ただ、膝まで出るのは主に夏の後半、腎臓の疲れが長期にわたった結果であることが多いんですが、元々負担がかかっている人は、梅雨時期にも出る傾向があります。
また、膝が悪くなる前に、激しい腰痛になる人も増える傾向があります。
これも夏の後半に多いですが、早い人は梅雨、夏にも出ます。
また、腰ではなく、背中が痛くなるという人がいます。
そういう人は、腰に到達するまでに背中が先に痛み出しただけで、原因としては同じ傾向があります。
背中が丸くなると、お腹を引っ込めるようになります。
お尻が下がるので、特に下腹が凹む形になります。
こういう人が、お腹をこわしやすくなります。
夏には多いですよね。
また、腎臓とともに、負担がかかりやすいのが呼吸器です。
呼吸というのは体内の「換気」でもあるわけですから、熱さを逃がさなければいけない夏は呼吸器も忙しいのです。
そして、背中の丸くなってしまった人は、胸も閉ざされ、呼吸器を覆うろっ骨も硬直して、呼吸器の働きに制限がかかってしまいます。
そういう体の人は、体の中、特に胸に熱がこもりやすい傾向があります。
夏の後半や秋になると、咳が止まらなくなる人も多いです。
(梅雨の初め頃にも、咳が出やすいです。)
このように、暑い季節というのは、体が丸くなる傾向があるので、案外縮んでいるのです。
ただ、冬のように固まって縮んでいるのとは違って、力がなくて縮んでいる、言い方は悪いですが「しぼんでいる」のに近いかもしれませんね。
夏の後半から秋にかけては、こういった夏の疲れが様々な症状として出てくるのですが、それは疲れの精算、と思って頂くといいでしょう。
特にその頃の風邪は、疲れた腎臓や呼吸器の立て直しのためだったり、強い紫外線などによる刺激の精算という意味ももっているようです。
また、夏は「しぼんでいる」のに近い状態ですから、あまり体をゆるめすぎると、余計に力が入らなくなります。
下がった腰をキュっと締めるように引き締めると妙に気持ちいいものですが、そうすると、ゆるくなったお腹まで引き締まってくる傾向があります。
ボーッとした頭まで冴えてきます。
(腰が下がると後頭部にも負担がかかり、頭の働きが鈍るのです。)