保護器具になるべく頼らないほうがいい理由

体と心の話

当塾では、腰が痛い人に、あまりコルセットや腰痛ベルトなどを使わないほうがいい、とアドバイスしています。

自力で歩けるのなら、杖などもなるべく使わないほうがいい。

その方が回復が早いからです。

 

安静もお勧めしません。

もちろん程度によりますが、動けるのであればその範囲内で動く、そして少しずつよくなってくるに従って、動きの幅を広げていく。

 

コルセットや杖をお勧めしない理由は、それらに頼っていると、なかなか腰の力が戻ってこないからです。

コルセットや杖ありきの体になってしまうからです。

 

しかし、実際はもっと深いところに理由があります。

それは、そういったものに、精神的にも依存してしまうということ。

それらによって手厚く保護をしなければならない、つまり裏を返せば、自分の体にはそれらを回復させていく力が足りない、という自己暗示を与えていることになるからです。

 

 

 

さらに良くない傾向としては、そのコルセットや杖を、人に見えるように使用することです。

厳しいことを言うようですが、こういう光景は何度も目にしています。

人に見えるような場所であえてコルセットの着脱をしている人、いかにも痛々しそうに杖をつき、泣き言を言いながら歩いている人。

そういう人は、心の奥に、「かわいそうな自分を見て欲しい、同情して欲しい」という心理があるのです。

自分では全くそんなつもりがなくても、やはりあるのです。

 

そういう無意識の心理に自分で気付き、変えていくことは難しいでしょう。

しかし態度や行動から変えていくことなら、意識的にも出来るはず。

 

そこで、そういう方によく伝えるのは、どうしてもコルセットを使いたいなら、絶対に人に見えないように使うこと。

人前でできるだけ「痛い!」という言葉を発しないように意識すること。

 

助けが必要な時は、感情的にならずに事情を説明してお願いすること。

特に必要でもない時に、わざわざ自分が怪我をしていることを人に言わないこと。

 

健康な人、体調を崩してもすぐに回復できる人は、自然にこのようなことをしています。

先日怪我をしやすい人、しにくい人という記事を書きましたが、付け加えるならば、こういうことです。

 

これらは当然、腰の痛みに限りません。

やたら大げさに包帯を巻いたり、見せびらかしたりという人もよく見かけるのですが、そういう人は本当に治りにくいです。

 

病気自慢や病気談義が好きな人もなかなか治りにくいのですが、これが癖になるとなかなか辞められないものです。

不幸自慢ばかりしている人が幸せになれなかったり、貧乏自慢ばかりしている人がいつまでも豊かになれないのと同じですね。

 

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