冷えの原因と三つのタイプ

体と心の話

まだまだ残暑が続く時期ですが、今回は「体の冷え」について、様々な角度から考えてみたいと思います。

熱中症や火傷などの急性症状を除き、体を冷やすことがよくないことは言うまでもありません。
体を冷やすと体液の流れも悪くなり、身体の様々な能力が落ちていきます。

 

しかし一方では、ある程度の寒さの中にいても、私達は36度台の体温を保っていることができるのも事実です。

気温が10度になったからといって、体温まで下がっていくわけでもありません。

私達の体の中には熱を発生させ、そして維持する能力が備わっています。

ですから本当は、やたらめったら冷えを恐れる必要はないのです。

 

寒ければ厚着をしたくなるし、暖房をつけたくなります。

簡単に言ってしまえば、要するに「寒くないようにすればよい」、ただそれだけなんです。

 

しかし、不意に冷えてしまうこともあります。

たとえば、エアコンの強くかかった部屋に急に入ることになったとか、寝ている間に気温が下がって寝冷えをしてしまった、なんていうこともあります。

特に初夏や初秋の頃などは、日中は暑く、明け方に冷える日が多いです。

そういう場合は、冷えたと感じた後に、「足湯」をするのが効果的です。

 

風呂を沸かして入るのもいいですが、足先というのは特に血液の流れが滞りやすいところです。

だから足は冷えを感じやすいのですが、足湯でそこを部分的に温めて流れを促すことは、循環器系の働きを活性化させる効果もあります。

 

体を冷やす食べ物、温める食べ物を気にする方も多いかと思います。

しかしこれも、あまりこだわりすぎて、理論ばかりが先走り、本当の体の反応が分からなくなっている人も多いのではないでしょうか。

体を温める食べ物を長期間食べ続けているけど、結局いつまでも冷え性が治らない、という人も多いです。

 

 

急に、極端に体が冷えてしまった場合は、手っ取り早く温かいものを飲むのが一番効果的です。

逆に熱中症などの場合は冷たいものを。

 

ただこれも一時的な反応で、冷たいものも飲み過ぎると汗が吹き出してかえって苦しくなることもあります。

熱いものや辛いものを食べて体を急に温めても、一気に体が熱くなった反動で、汗で体が冷え始める、ということも起こります。

いずれの場合も「適度に」ということが大事ですね。

 

 

「冷え性」については、大きくわけて三つのタイプがあります。

一つは、女性に多い足の冷え。

足の甲や足首がよく冷えます。しかし実際には、お尻や下腹などが冷えているのです。

骨盤(生殖器系)の働きが鈍っている人にみられる症状です。

こういうタイプの人は、腰やお腹を冷やさない工夫をしたほうがいいです。

 

二つ目は、掌、足の裏が汗で湿るのだけども冷える、というタイプ。

こういう場合は、腎臓系の疲労や血液の汚れといった問題がみられるタイプです。

暴飲暴食を避け、正しいデトックスを心がける必要があります。

腰・背中を冷やさないことが大切です。

 

三つ目は、手足の先が冷えるのは上記二つと同じなんですが、頭の緊張が原因になっている場合です。

ふとしたことで頭や脇に汗が出るのだけど、手足だけが冷たくなります。

こういう人に最も必要なのはリラックスをすることと、必要以上の気づかい・心配をしないことです。

 

 

最後に、最も冷えの影響を受けやすいケースは、寒さに不平不満が混ざったときです。

短時間の間なら、ある程度の寒さの中でも体温を維持することが出来ます。

しかし、「ここは寒くて、不親切だな」などと不満に思っていると、一気に体がおかしくなってしまうものです。

「少々寒くても仕方ないか」と腹をくくった人は平気なのです。

そして帰宅後に足湯でもすれば大丈夫。

 

いずれにしても、私達の体の内側に、熱を作り出し、維持する能力が備わっているのだ、という前提を常に忘れないことが、冷え予防の大前提と言えるでしょう。

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