整体の際、今まで何度か「けっこう力があるんですねぇ」と言われたことがあります。
「力」っていうのは、腕力のことを言っているんだと思うんですが、実は腕力とか握力とは、もの凄く弱いほうだと思うんです。
腕相撲なんかしたら、女性にも負けちゃうことがあるんじゃないでしょうか(笑)
体をギュッと押さえたりするから、受けている人に「力が強い」と思われることがあるのでしょう。
だけど、これは決して、腕の力や指の力ではないんです。
その証拠に、私の腕は決して太くないです。
いかにも腕相撲に負けそうな、鍛えてなさそうな腕です。
マッサージとか、他の手技療術などをやっている人は指も太くなっている人が多いです。
中には変形している人、関節が曲がったままになっている人なども見かけます。
私は、大きい手ではありますし、指も長いですが、決して頑丈な手には見えないと思います。
それはやはり「力」を使わないからです。
力は使わないけれど、相手の体の奥までズキーンと響くように、押さえることができます。
それは、整体には独特の「押さえ方」があるからなんですね。
指や腕の力で押さえると、まず自分の腕を壊しますし、次第に呼吸器、頭へとその疲れが広がってきます。
そればかりでなく、指や腕の力で押さえられると、受け手側の体には、無意識のうちに抵抗が起こったり、表面的には筋肉がほぐれるけれど、何か今ひとつ、芯から変わってくれない・・・なんていうことがあるんです。
ならば、腕の力じゃなくて、体重のかけかたが大事なのか?と思われがちなんですが、実は体重をかけるわけでもありません。
というか、決して体重をかけてはいけないんです。
受け手にとって、体重をかけられるということは、負荷をかけられること意外の何でもありません。
よく、「骨格矯正」とかの広告チラシなどで、体重をかけて体を押さえている写真をみかけることがあります。
はっきり言って、恐いなぁ・・・と、思います。
人の体に触れて、整えるということは、言葉は悪いかもしれませんが、相手の体を『掌握』している必要があります。
こちら側が、相手の体をいい方向に導いていかなければなりません。
その為には、まず、相手が身を任せてくれるような、そんな「安心感」「信頼感」を与える触れ方が必要になります。
続いて、その相手の体を押さえ込んだら、こちらがしっかりとハンドルを握って、そして微細にそのハンドルをコントロールして、正しい方向に整えていかなければなりません。
腕に力が入っていたり、ましてや体重を預けていたのでは、微細なコントロールなどできないんです。
まぁこれは、プロレベルの話かもしれませんが、ともかく整体には、こうした押さえ方、触れ方をするための『型』というものがあるし、様々な『流儀』があります。
一般の方でも、ある程度はこの『型』、『流儀』を守って頂くことで、知識や技術力があまりなくても、相手にいい変化を与えることができるはずです。
それが、整体の特徴です。
他の手技療術をやっている人でしたら、整体の『型』や『流儀』を身につけることによって、その療術の技術もさらにパワーアップするのではないでしょうか。
当塾の整体法講座や勉強会では、実際にいろいろな急所の押さえてみたり、背骨の観察や調整を行ってみたりという、実践的な実習を行います。
もちろん、その場でやり方を実演し、手ほどきしますので、初めての方でも大丈夫です。
ただ、そんな中で、『整体流の押さえ方』というのはこんな感じなんだな・・・というのを、少し意識しながら実習に取り組んで頂ければ、と思います。
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