突然激しい痛みに襲われ、身動きが取れなくなるギックリ腰。
なってしまった時には、その痛みによる苦しさとともに、とても激しい不安に駆られるものです。
「もうこのまま動けなくなってしまうのではないだろうか・・・!?」と。
実際にはそんなことはありません。
大抵の場合、ぎっくり腰は時間とともによくなっていきます。
(もちろん正しい処置、対応が必要ではありますが。)
なぜなら、見方を変えれば、ギックリ腰は疲れが溜まった腰(あるいは体全体)を、動けなくして休ませるために起こっている、ということが言えるからです。
少し話は変わりますが、よく
- 「一度ギックリ腰になったら、その後何度も繰り返す」
- 「ギックリ腰は癖になる」
というようなことが言われています。
これは確かに、ある意味本当です。
何度もギックリ腰を繰り返している人、あるいは「ギックリ腰になりそうな腰の違和感」を感じる人は実際に多いです。
ただこれは癖というわけではなく、ギックリ腰になる本当の原因を解消していないことが原因だからです。
ギックリ腰自体は、腰に痛みが発生するわけですから、当然腰になんらかの歪みが起こって発生する症状です。
簡単に言うと、背骨、骨盤が歪んで神経を圧迫する、というよく聞かれる現象ですね。
あるいは、それに伴う周辺の筋肉の拘縮などによるもの、ということもできます。(必ず同時に起こっていますが。)
それで、たとえばこの腰の歪みを何らかの技術で解消したとします。
それでも現実にはしばらく時間がかかるのですが、とりあえず腰の痛みは楽になっていきます。
しかし、実際はこの腰になぜ歪みが起こっているか、が問題なわけです。
ほとんどの場合、腰より上に原因があります。
人によって違いますが、すでに背骨のもっと上のほうで歪みが発生しているんです。
その歪みを背骨の別の部分でカバーして、さらにそのカバーした部分が限界になってくると別の部分がカバーして・・・
これを繰り返し、腰という、背骨の行き止まりのところに達した時に、ギックリ腰のような激しい痛みが発生するわけですね。
なので、その腰の部分を一時的に治したとしても、腰を歪ませる要素がまだ残っている以上、またそのうち痛くなってしまう、というわけです。
これが「ギックリ腰は繰り返す」「癖になる」と言われている原因です。
なので厳密には「癖」になっているというよりは、ちゃんと元が解消されていない、ということなんです。
では、その元の部分を歪ませる原因は何かというと、それは本当に様々です。
内臓の疲れである場合も多いし、背骨の一番上、頭の疲れであることも意外に多いです。
腕の疲れ、職業柄の姿勢の問題もあるでしょう。
なので、ギックリ腰の場合、腰だけでなく、その元がどこにあるかを見極めるということが本当は大事になってきます。
そしてほとんどの場合、ギックリ腰に至るまでには長い時間がかかっているので、実はそう簡単に改善されるものでもないのです。
腰の痛みが軽くなっても、その元を正していくにはもうしばらく時間を要します。
日々、気をつけていただかなければいけないこともあります。
なので、ギックリ腰は、腰の痛みが楽になったからそれでOK、というわけにはいかないのが本当のところです。
むしろ、その腰の痛みがとりあえず緩和し、ある程度体を動かせるようになってからようやくさらに元の原因解消へのアプローチが可能になってきます。
そこからが本番、といってもいいでしょう。