人の悩み、ストレスの大半は「人間関係」なんじゃないかと思います。
お金の悩み、病気の悩みというのもありますが、それでも病気の背後にストレスがあることは非常に多いし、お金がない=仕事が続かない=その背景には人間関係がいつもうまくいかないから・・・なんていう理由もあったりします。
恋愛の悩みだって、結局は男と女の人間関係なわけだし、子どもの悩みだって親と子の人間関係です。
仕事の悩みだって、実は仕事上の人間関係がその元になっていることが多いです。
とにかく、こんなにも「人間関係」で悩むことが多いにもかかわらず、その人間の心のしくみ、性格のしくみといった部分をきちんと知らない人が多いような気がするんです。
知らないままで、「どうすれば人間関係がうまくいくのかなぁ?」悩んでいる、これはよく考えればおかしなことです。
食材の特性も調べないまま、「おいしい料理を作りたい」と言っているようなものなんじゃないかと、私は思うんです。
それで当塾では、人間の「性格」のしくみとか、心のしくみ、使い方などを、実際に人の心身を見てきた経験からまとめて、『体癖』『気の関係』『願望実現』といった切り口のセミナーとしてまとめている次第です。
ぜひ有効に活用して頂きたいと思います。
さて、前置きが長くなりましたが、以前マンスリーコラムのほうに、「自我と共感」というテーマの文章を書きました。
これもまた、人間の性格、価値観のしくみについて書いたものです。
『体癖』とはまた別物として捉えていただきたいのですが、人の価値観・感受性を大きく二つにわけたものですので、少々大雑把な分、体癖よりは判りやすいかと思います。
随分前に、ある女性にこの話をしたところ、
「もっとこのことを早く知っていれば、私の人生は違っていたかも」
なんて言いながら泣かれてしまいました・・・
過去に相当、恋愛のことで悩んだ経験があるのでしょう。
ある特定の人と、いつも理解し合えずに、すれ違ってばかりいたのだそうです。
相手のためを思って言った言葉、取った行動が、相手を傷つけてしまったり、一生懸命言葉や態度で気持ちを伝えても、全く理解してもらえなかったり・・・
そんな自分を情けなく感じたり、またはそんな相手を恨んだり、ということもあったんじゃないでしょうか。
詳しくはコラムを読んで頂くとして、知らないが故に余計に傷ついたり、傷つけたりということは、本当に多いな、と思うんです。
そして、相手を押さえつけてしまうことも本当に多い、特に親子関係においては。
別に親が悪いわけじゃなくて、知らないが故に、親のほうが自信をなくしてしまったり、傷ついたりすることも多いと思うんですよ。
さてここで、上記コラムについて少々補足をしておきたいと思います。
コラムの中では、人の感受性を「共感タイプ」「自我タイプ」と分類しましたが、必ずしも両者にスパッと分かれるわけではないんです。
一人の人の中に、共感タイプと自我タイプがたとえば9:1の割合で混在しているとか、7:3で混在している、というようなことのほうが多いです。
6:4ぐらいだと、ちょっと判りにくいですね。
また特定の相手に対しては自我タイプが前面に出るとか、仕事では自我タイプ、プライベートでは共感タイプが前に出る、なんていう違いがあります。
それから、同じタイプ同士の人だと、やはり感受性が似ているわけだから、理解し合えて過ごしやすいんですね。
すごく仲良くなれて、心の中の深い部分までさらけ出せることもあります。
特に共感タイプ同士だとその傾向は強いです。
だけど、これが恋愛、そして結婚となると何故か話が違って、逆のタイプ同士が結ばれることが実に多いんです。
それは多分、自分にない部分に魅力を感じ、刺激を求めるからでしょう。
心を許せる友人同士の気楽なゆるい関係と、恋人同士の胸が高鳴るような関係とは、また別物ですからね。
それで、その別のタイプ同士が結ばれて時間がたつと、結局はやっぱりその違いが気になってくるわけです。
これは違うタイプの子どもが生まれて来た場合でも言えることですが、とにかく多くの人間関係というのは、「逆のタイプの人間同士の関係である」ということが非常に多いということです。
そして当然、どちらのタイプが「正しい」というわけでもありません。
ということは、どちらにしても半分は我慢をしなければならない、ということです。
または、半分は理解できなくても仕方ない、理解されなくても仕方ない、ということです。
そして、半分は理解できないことを許してあげなければいけない、ということでもあります。
『相手を思いやる』というのは、本当はそういうことなんじゃないでしょうか。
決して「自分がして欲しいことを相手にもする」ということではないと思うんです。
それは、自分の価値観と言うフィルターを通したものにすぎません。
自分とは違うタイプの人にとっては、それが迷惑行為になってしまうことも非常に多いです。
恐いですね・・・やっぱりこういうことは、ある程度知識としても知っていたほうがいいんじゃないでしょうか。