先日の長嶋茂雄さん、松井秀喜さんの国民栄誉賞授与式。
ニュースでその映像をみました。
式典の演出や受賞そのものに対しては賛否両論色々あるようですが、私はとにかく長嶋さんの言動を興味深くみさせてもらいました。
個人的な話で恐縮ですが、数年前、リハビリを続ける長嶋さんの姿をテレビで見ていた時に、一緒にみていた家族と口論になったことがあるんです。
後遺症で自由に体を動かせなくなった長嶋さんを見て、家族は
「やっぱり、やりたいことは元気なうちにやっておかないとね、病気になったり年老いたりしてから後悔しないように。」と言いました。
私はそれを聞いて、ちょっと腑に落ちないというか、何だか違うような気がして、こう言い返しました。
「いや、長嶋さんは今も、やりたいことをやろうとしているんじゃないか?」と。
そうしたら相手もムキになってきて、
「でも長嶋さんは今、野球をやりたいと言って出来る体じゃないだろう!」
と言い返してきました。
私もついムキになって、
「現役時代のように野球をしたいとは、考えていないんじゃないか?」
とまた言い返し、その後はどういう流れになったのかよく覚えていないんですが、何だかスッキリしないまま、そのやりとりを終えました。
そんな以前の会話を思い出しつつ、今回の長嶋さんの姿を見て、私はやっぱり、数年前にテレビを見て感じた事は間違いじゃなかったような、そんな気がしたのです。
確かに、病気のせいで、様々な活動を制限されてしまったことは事実です。
だけどその「できないこと」のことを考えながら生きるのと、出来ることを精一杯やって生きるのとでは、その後の人生の意味が全く違うと思うんです。
一昨日のあの堂々とした立ち姿は、相当なトレーニングを積んだ結果なのでしょう。
そして会見を聞いていても、頭の中には常に野球のことでいっぱいだということが窺えます。
まるで「野球少年」のようです。
今でもひたすら、野球人生まっしぐらなんでしょうね。