春の体とエネルギー/花粉症

体と心の話

春がやってきた、というような日。

公園には散歩するお年寄りや子連れのお母さん達の姿が多くみられました。

そして学校帰りの学生達のテンションはいつも以上に高く、その声はまるで有り余るエネルギーが噴火しているかのようです。

 

実際にこの時期からは、何ともいえない欲求というか、とにかく何でもいいから騒ぎたい、発散したい・・・という「エネルギー」的なものが活発に沸き立ち始めます。

多くの動物達はそのエネルギーが繁殖という形で表れ、春は繁殖期となるわけです。

 

人間の場合も、そのエネルギーの元は同じようなものでしょう。

性的、そして生理的成長が著しい思春期の少年少女が、やたらとテンションが高く、そして時に繊細になるのも、そのエネルギーの活発さゆえのこと。

まるで強く水を流し込んだホースのように暴れ回っているようなものです。

そのエネルギーの出口がうまく見つからないのと、そのエネルギー自体が強すぎるからでしょう。

 

もちろんある程度の年齢になっても、やはり春の時期にはエネルギーが高まるものです。

 

春には蛇口を開くように、骨盤と腰椎がゆるみます。

するとそのエネルギーが流れ出し、次々に背骨を動かしていきます。

それこそ背骨をホースに例えると判りやすいかもしれませんが、しばらく水を通していなかったホースは、汚れが詰まっていて固くなっていることもあります。

その詰まった部分で引っかかるかのように、これからの時期、背中や首、後頭部などが痛んだり、コリを感じるような人もいます。

また、それぞれの背骨に関連する臓器や心理面での変動が出てくる場合もあるし、まるで詰まっていた汚れを出すかのように、排泄が盛んになる場合もあります。

うまい具合に、春にはタケノコに代表されるように、下痢や肌荒れを引き起こしやすい食べ物が多くなり、それが排泄の誘導をしてくれる場合もあります。

 

ちなみに、これから増える『花粉症』なんかも、その詰まりの解消のためにホースを振り回すようなものです。

くしゃみや鼻水・涙を出して固まった部分をゆるめ、そして詰まっているものを溶かし出す行為そのものです。

そして、本格的に排泄が始まる暖かい季節に向けて、肝臓を初めとする解毒期間の準備が始まる時期でもあります。

(そのためこれからの時期は、下痢や肌荒れなどの肝臓系の症状も出やすいです。花粉症も、肝臓系の症状という面を持っています。)

 

とにかく、こういう活発な『流れの始まり』が起こっている時期、これからが本番です。

詰まりが酷い人は少々暴れることも必要だし、出るものは全部出し切ったほうがいいです。

だけど暴れて怪我することもあるし、鈍っている人は上手に出し切ることが出来ないことも多いです。

だから本当は少し手を加えて、上手くその詰まっている部分をゆるめていけるといいんです。

この時期に特に整体などをお勧めするのはそのためです。

 

ところで、『エネルギー』と言っても、何のことやらよくわからないものだと思います。

実際にそういうものが目に見えるわけではありませんし、『気』とか『オーラ』とかのように、見える人にだけ見える(と思われている)特別なものがある、というわけでもないと思うんです。

ヨガや仙道の世界などでも、背骨にある管をエネルギーが循環する・・・という考え方があるようです。

そういう訓練を、私も過去に随分とやったことがありますが、実は今ひとつその効果を実感していません。

私が未熟だっただけかも知れませんが。

 

ただ、そういう「力の流れ」というものはあるようで、春以降には、骨盤が上を向くような動きを見せ、それに伴って腰の反りが強くなる、という傾向があります。

そうすると、その力は上へと向かい、体は「起きて」くるようになります。

やはり反って起きている体は本来元気なもので、だからこの時期にはテンションの高い人が多くなるわけです。

だけど、あちこちに硬直が残っている人はそうはならず、何だかんだと不具合が起こってくる、そんな季節が、これから続きます。

 

春の後半には「木の芽時」といって、何かと心身の調子が悪くなる人が増える時期が来ますが、それも硬直が残ったまま、春を過ごしている人が多いからでしょう。

今のうちに、できるだけ『詰まり』を取っておきたいものですね。

 

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