暑くなると起こりやすい症状の一つに、お尻の下の部分、坐骨周辺が痛い、だるい、というものがあります。
太腿の後ろ側、足の付け根のあたりです。
これはざっくり言うと、骨盤の後ろ側が下がる、つまりお尻が落ちてきたために起こる症状です。
なぜ骨盤が下がるかというと、これもかなりざっくりになりますが、背骨が後ろに曲がる、つまり猫背になるからです。
図のように、まっすぐであれば(実際にはこのようにまっすぐではありませんが)正常な位置にある骨盤が、湾曲することによって押し下げられるためです。
そしてその猫背の負担が腰の根本にたまった時に、そのような症状が起こります。
なのでお尻の下がだるいという人は、必ず腰の根本(腰椎の4番、5番と骨盤の上端)に硬直が見られます。
猫背になる理由は、暑さによる呼吸器や腎臓の疲れが主なものです。
暑い時期は誰でも呼吸器、腎臓に負担がかかります。
呼吸器の疲れは背中の上部(胸椎3,4番あたり)を、腎臓の疲れは腰より上のあたり(胸椎10番など)に影響します。
そうした内臓の疲れは関連する背骨を後弯・下垂させることになり、その結果猫背になって腰が落ちてくるというわけです。
これが夏の暑さによる一時的なものであれば、だんだん暑さが和らいでくる頃には症状も消えていきます。
しかし元々腰に負担がかかっているような人の場合は、それが長引いて夏の後半にひどい腰痛を起こしたり、膝が痛くなったりという症状に発展します。
(膝については別の記事にて言及したいと思います。)
対策としては、前屈などにより脚の裏側を伸ばしておくこと。
仰向けで脚を上げたりするのもいいでしょう。
でもそれでは根本的な対策とまではいきませんので、腰の反りを取り戻す正座仰向けの体操なども重要です。
(基本体操をご参照ください。また、詳しくは整体の時にお尋ねください。)
でもおそらくそれだけでは修正しきれない人が多いと思うので、骨盤の上端、原因となる背骨の状態など総合的に、整体を受けて整えておくことをおすすめします。