昔、整体法の勉強をしている時に、ある先生が
「極端に言うと、子どもはお腹と頭(頭部の急所)に愉気しておけばそれでいい」
とおっしゃっていました。
先生の言うこととはいえ、正直その時は「随分と大雑把な話だな」と感じていました。
しかし実際現場で整体を行い、経験を積んでいくうちに、その時のその言葉は、決していい加減なものではなく、むしろ実に的を射た発言だと思うようになりました。
とはいえ、初心者の人に対しては誤解を招きそうな言い方ではありますが(笑)
小学生ぐらい(場合によっては中学生ぐらいでも)の病気の多くには、かならず「感情の動き」が大きく関与しています。
感染症や怪我に関してはそればかりではありませんが、それでも決して無関係とはいえません。
必ず何かしらの感情の問題が背景にあって、それをうまく表現できずに、体に現れるものです。
特に何度も何度も繰り返す怪我や病気の場合は、「感情の内攻」がかなりの度合いであるとみて間違いないでしょう。
その「感情の内攻」が顕著に現れる体の部位というのが、お腹と頭なのです。
お腹ではへそより上、肋骨のすぐ下の部分です。
上腹部全体が張ったようになりますが、特に左側に硬いかたまりのようなものができてきます。
もともと、「幼児体型」というのは、このお腹の上のほうが張り出した体型をいいますよね。
つまり子どもは、感情の動きがとても豊かであるということです。
でありながら、言葉もまだ未熟だし、人生経験も少ないわけですから、その感情の吐き出し方や処理の仕方がまだわからないのです。
だからある意味、溜め込んでしまいます。
これがだんだん大人になるにしたがって、感情の処理の仕方を覚えていき、そしてぽっこりと上腹部が出ている体型も変化してきます。
いっぽう、頭のほうでよく現れるのが、整体の専門用語で「頭部活点」といわれる場所です。
そして頭頂部もポイントとなります。
ここは、「鬼のツノが生えている場所」です。
感情の抑圧や、激しい感情の動きがある時は、この場所が過敏になってきます。
そして盛り上がったようになり、まるでツノがこれから生えるかのような状態になります。
(頭部活点については、こちらのページで詳しく説明しているのでご参照ください。)
子どものうちは、お母さんに頭を撫でられると喜びますよね。
そして不思議なことに、この頭部活点がゆるんでくると、お腹のほうもゆるんできます。
お腹と頭は、連動しているのです。
お子さんのトラブルには、専門的な処置、状況によっては医学的な処置が必要なことはもちろんですが、お腹と頭の手当て(愉気)を併用していくことをお勧めします。
また、医療で解決するような問題ではない場合なら尚更です。
基本的には、心を沈めてただ手を当ててあげるだけでいいでしょう。