前回と話が重複しますが、12月の後半になると、頭をどこかにぶつける人が増えます。
前回の繰り返しになりますが、ある程度理由はわかっています。
まず、年末は何かと忙しいものです。
実際にはさほど忙しい人でなくても、気持ちばかりは忙しい、騒がしいものです。
すると、頭ばかりが働くようになり、頭のほうにばかり力が偏るようになってきます。
ただでさえ、冬は頭に力が偏る傾向があります。
日本の季節の流れと同じように、人の体(日本に住んでいる場合)には周期があります。
夏には体が開き(ゆるみ)、冬には引き締まるようになっています。その締まりのピークが、年末年始のあたりで頭頂部で起こるようになっています。
ともかく、そのような理由で頭に力が集中すると、頭を支える首が固くなります。
首が固くなる時というのは、短く縮むのではなく、引き締まって縦に伸びたような状態に近くなります。
すると、高さの感覚が狂うのです。
その結果、普段はぶつけないような所に頭をぶつけることになります。
・・・しかし、これもあくまでも理屈であって、本当のところはよくわかりません。
よくわからないけれど、体が選んでぶつけているようにも思えます。
この時期ぶつけるのは、大体が頭頂部付近です。
おでことか後頭部をぶつける人はあまりいません。
繰り返しになりますが、年末頃に頭頂部に締まりのピークが訪れ、そして年が明けてからは動き始めます。
まるでタマネギの芽が出るときのように、頂上の部分が開き(ゆるみ)始め、その後徐々に冬の引き締まりから解放されていくように、頭全体がゆるみ始めるのです。
年末ギリギリに頭を打つということは、そのスタートを切るための準備のように思えてなりません。
ちなみに、これが1月の半ばから後半頃になると、前頭部、鼻や頬のあたりをぶつける人が増えます。
この頃になると、頭頂部ではなく、主に後頭部の骨が動き出す時期ですが、頬骨や鼻骨がそれと連動しています。
鼻・頬がかゆくなる人も増えますし、鼻風邪をひく人もいます。
こうした刺激が、後頭部の骨のゆるみを活性化させると考えられます。
さらに、3月頃になると、尻餅をついて尾骨を打つ人が増えます。
この頃は骨盤の動きが活発になる頃です。
お尻については、妊娠初期の女性がどこかにぶつけることもよくある話です。
妊娠初期のある時期に骨盤の開きが急に活発になるんですが、お尻(この場合は尾骨よりも仙骨)を打つことがそのきっかけになる場合があるようです。
こうした例を数多く見ていると、頭頂部や頬骨、お尻などに限らず、その他の怪我にも何か意味があるのではないだろうか?と思えてきます。
以前あった特殊な例では、普段から左の首に強い違和感を感じていた人が交通事故にあい、よりによってその左の首に強い衝撃を受けてしまいました。
しかしその後ほどなくして、元からあった左首の違和感まで消えてしまっていたというのです。
もちろんそのようなことは証明しようのない仮説でしかないのですが…。
しかし、このような例は他にもあって、よりによってその人の体の鈍っている場所、急所のような場所を怪我することは決して珍しいことではありません。
こうして考えてみると、やはり人の体には理屈では説明しようのない、証明しようのない本能があって、そして多くの怪我や病気にはちゃんとした目的が、積極的な意味がある、と考えることも、あながち間違ったことではないように思うのです。
さらにその考えを広げていくと、これは病気や怪我に限ったことではありません。
私達の身の回りに起こる様々なトラブルも、理屈では説明しようのない積極的な意味がある、と考えることもできます。
というよりも、「ただの不運」「どうしようもない出来事」と考えて落ち込むよりは、意味のあることとして捉えたほうが元気でいられるのではないでしょうか?
そして、水面下で自分の人生にプラスに働いているのならば、 その「意味」が今は分からなくてもいいのではないかと思うのです。
そのトラブルは、今までの自分を変えるための「きっかけ」なのかもしれません。