体の疲労というのはどのように溜まるのでしょう?
様々な観点、見解があると思います。
整体における疲労度の見方の一つとして、背骨の状態というものがあります。
疲れが蓄積してくると、背骨が固まっていくのです。
背骨が固まるといっても、骨そのものが固くなるわけではありません。
もともと固いですからね(笑)
実際に固くなるのは、背骨の脇、背骨を支えている筋肉と、そして背骨の間(椎間)です。
元気な人の背骨というのは、動きがしなやかで弾力があります。
なので、体全体の動きにもしなやかさがあるんですね。動きが柔らかです。
柔らかであるということは、クッション性があるということです。
そのため、様々な体への刺激をうまく「いなす」ことができます。
ところが、背骨が固まった人の場合はそうはいきません。
日々の労働などによる刺激が、疲労として体にどんどん負担を与えていきます。
そして腰や膝といった、要所要所にそれらが症状として現れくるというわけです。
また、背骨からは多くの神経が全身各所に枝分かれしているということはご存知の方も多いかと思います。
特に固まっている部分の神経はうまく機能せず、内臓の働きや体の動きなどに支障をきたす原因にもなりかねません。
背骨の役割はそれだけではなく、「頭を支える」という重要な任を担っています。
背骨のクッション性は、頭の働きにも大きな影響を与えるのです。
さらに、背骨の中には「脊髄」が通っています。
脊髄は、いわば脳の延長のようなものです。
背骨に疲れが溜まっていると、頭もスッキリ働いてくれません。
つまり「頭が重い」状態が続くわけです。
頻繁に頭痛がする、なんていう人の背骨も大変固くなった状態にあります。
背骨周辺に溜まっる疲労というのは、最初は筋肉のコリのような状態として現れます。
それが古くなるとコリコリとした塊のようなものになり、さらに悪化するとその範囲が広がり、まるで針金が入っているかのようなスジができてきます。
疲労の種類によって、それらができる場所や質感が違うのですが、主に頭の疲労、精神的疲労は背骨の上部で、骨のすぐ際のあたりから固まりはじめます。
手足の疲れ、肉体的疲労だともう少し外側の脊柱起立筋あたり、内臓系だとさらに外側・・・というように。
さらに背骨の何番目に出てきたら何々・・・と細かく見ていくこともできます。
整体では、それらの芯を捉えて刺激したり、針金のようなスジ(線)を弾いて点にして溶かしていく、というような技術を使います。
ともかく、そういった背骨に現れたコリ、塊を定期的にほぐしていくことで、溜まった疲れを解消していくことができる、というわけです。
その疲れの度合い等によっては、それだけでは改善できない場合ももちろん多いです。
様々な複合的な処置が必要になってくるのですが、ともかく、特定の大きな症状として現れる以前の、溜まった疲れを取っていくという意味ではとても意味が大きいです。
整体を受けると体が軽くなり、同時に頭もスッキリと働くようになるのは、こうした背骨に溜まった疲れが取れていくからなんですね。
日々の生活の中では、どうしても溜まってしまうものです。
なかなかこれを自分だけで解消していくのは難しいものですから、どなたにも定期的に、整体を活用してもらえればと思っています。
検証したことはありませんが、受験勉強や資格試験の前など、頭をスッキリさせて臨むのもいいかもしれませんね。
大事な仕事の前などにもおすすめです。
背骨に疲れが溜まって固まっている状態というのは、その人の本来の能力を発揮できない状態、ということでもあります。