前回の「頭部活点」に引き続き、頭の「急所」をご紹介したいと思います。
その前に、頭痛が起こるざまざまな原因について、簡単に解説させていただきます。
頭痛の原因としてよくあるのが、極度な頭の緊張です。
これは突発的に起こるものですが、そうでなくとも、じわじわと緊張が続き、それがピークに達して頭痛になる場合もあります。
極度な緊張というのは、たとえば不安、恐怖、人前に出た時の緊張とか、苛立ちとか、とにかく精神的な変動です。
「頭がいっぱいになる」とか「頭痛のタネ」というような言葉がよく使われますが、そういうものですね。
簡単に言えば「ストレス」と言っていいでしょう。
とにかくこういった精神的ストレスが高まった時、実際に頭部は強く引き締まって固くなります。
固く、といっても何かで計測できるような固さではないのですが、実際に触ってみると、頭がパンパンに張っているのがわかります。
ちなみに、脳は大変な量のエネルギーを必要とする器官です。
身体が食事等から摂取するエネルギーの約20%(諸説あり)を脳で消費するというようなことも言われています。
脳の質量自体は身体のうちの2%程度だそうですから、どれだけエネルギー消費率が高いかが想像つきます。
つまり、脳の疲労というのはやはりかなり身体に影響を与えるわけですし、それはまず頭部の変動として現れてくることも何ら不思議ではありません。
ただ逆に、エネルギーがうまく脳に回らないといった場合も、頭痛が起こります。
それは主に内臓の働きがおかしい場合です。
血液が汚れている場合もそうで、自家中毒と言われるように、血液の濾過、排泄機能がうまく働いていない人はよく頭痛を起こします。
根本的な解決のためには、内臓の働きと、生活スタイルそのものを整えていかなければなりません。
これらのいずれの場合でも、頭痛が起きている時、あるいは起きる直前には、必ず首〜後頭部に強い緊張が起こっています。
その部分をうまくゆるめていくと、頭痛を回避できたり、緩和させたりすることにつながります。
主なポイントが、後頭部の骨のすぐ下(際)の部分で、図の青いラインにあたります。
もう一つは首と頭の境目、図の赤い●の部分です。
ここを、強く揉むのではなくて、じわじわと圧を加えるように押さえていきます。
押さえながら少し顔を上に向けると、よりそのポイントへの圧がはっきりしてきます。
これらは目が疲れた時にも固くなる場所です。
目が極端に疲れたり、疲れを毎日積み重ねるような仕事をしている人は、慢性的に固くなっています。
そしてそれが限度を超えると、頭痛につながってしまいます。
ちなみに、貧血で頭がふらつくような人も、ここが固くなっています。
癲癇の症状を起こす子供(大人でも)も固くなっています。実際に発作を起こしている時もここを押さえることでおさまることがあります。
肩こりを普段感じる人もここをゆるめるといいでしょう。
温湿布で温めることもおすすめですが、実際に頭痛が起こっている時には温めないでください。症状が悪化する場合があります。
頭痛の時はここをゆるめて、あとはとにかく一度よく眠ることが必要です。