節目に起こる変化

体と心の話

真夏は一日中暑い日が続きますが、夏の後半になってくると少しずつ変化が出てきます。

そして九月になれば、一気に朝晩が涼しくなってきます。

それでも日中は夏のように暑い日も・・・。

 

さらに、その朝晩の涼しさは日ごとに増していき、そのうち肌寒さまで感じるようになる、つまり秋は毎日「変化」し続けていく季節です。

 

逆のパターンでは春、こちらはだんだん暖かくなっていく季節です。

 

一方、案外変化が少ないのが夏と冬ですね。

暑さ、寒さが厳しい季節ではありますが、そこそこ一定な状態が続きます。

そういう理由で、実は真冬や真夏よりも、日々気候が変わっていく春や秋のほうが、体に様々な異常がおこりやすいという傾向もあるんです。

 

夏や冬に起こる異常は、全体的な体力がかなり弱っている人が、その寒さ・暑さに耐えきれずに体調を崩すというものですが、春や秋の以上は誰の身にも起きやすい傾向があります。

 

その代表的な例が「季節の変わり目に風邪をひく」というものですね。

しかしその風邪も、季節の変化に対応するために体が選択した手段である、という面も持っています。

 

簡単に言うと「心身の衣替え」です。

本当は風邪などひかなくても、秋モードの心身にスムーズに移行できればいいのですが、まぁ誰でも何かと体に「鈍り」というものを抱えてしまっているものです。

その鈍りが少し強めな人は、風邪の症状を通していったん今までの心身の状況をリセットし、衣替えを遂行していく必要があるのでしょう。

 

そうすることによって、開放的な夏の心、そして暑さに対応するための皮膚や内臓のモードを、冬に向かっていく季節用に入れ替えていくわけです。

だからそういう意味では、季節の変わり目にひく風邪は「ありがたい」存在なのです。

少なくとも、必要以上に恐れる必要はありません。

確かに症状は決して気持ちのいいものではありませんが、それでも体が「この秋・冬もしっかり越そう」として起こっている現象ですから、前向きなものと捉えてもいいほどです。

 

いずれにしても、出るべき熱や汗、咳、鼻水等を無理矢理抑えられることなく、しっかり出し切ることができればやがて終息するはずです。

 

 

こういう「節目の症状」というのは、実は季節の変わり目に限ったものではありません。

その人の体や心に、何か大きな変化が起こった時、あるいは変化が必要な時には、季節に関係なく起こることがあります。

 

たとえば引っ越しの前後の時期。

引っ越し先が今までとかなり気候の違う地域であるならば尚更ですが、気候に限らず、やはり環境が変わるということは、そこに住む人の心や体にも「モードチェンジ」が必要になるのです。

そのため、場合によっては風邪などの病気になったりして、一旦今までの日常から離れるという手段を体が選択することもあるのです。

 

その他、転職の前後に調子を崩す、なんていう人もいます。

新しい環境に対して心身を適応させるためのプロセスであると考えられます。

 

結婚や離婚の前後に調子を崩す人もいれば、大きな旅行の前後、その他何らかの大きな決断の前後にそのようなことが起こる場合もあります。

 

ただ中には、そういう環境の変化を前にして無理をしすぎて、背伸びをしすぎてしまい、力みすぎて調子を崩してしまうこともあります。

しかしそのような不調でさえも、背伸びしすぎた自分をもとの自分に戻し、改めて目の前にある課題に冷静に向き合うために必要な小休止であると考えることができます。

 

いずれにしても、そのようにして体は自分の方向性を見極めつつ、常時軌道修正をしながらいい方向に進もうとしているのです。

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