「整体」のイメージというと、姿勢を整えるとか、背骨や骨盤の歪みを正すとか、身体の「形」を整えるもの、として捉えられることが多いかと思います。
病院でいうと整形外科的なポジションでしょうか。
内科的な部分、たとえばそれに内臓の問題に言及するとなると、「背骨の歪みのせいで神経が圧迫され、内臓の働きがおかしくなる」
などというようなことがよく言われていました。
つまり、体の歪みが内臓の病気の原因になっている、と。
しかしこれらは、ほとんどの場合、逆です。
これは今まで実際に人の体を見てきてそう感じていることなんですが、圧倒的に、内臓のほうが先で、その影響で体が歪んできている人のほうが多いです。
背骨には確かに様々な体の状態、内臓の状態までが現れてきますが、それは「結果」です。
内臓に異変が出た結果結果、その内臓に関連する背骨にも異変が現れるのです。
たとえば、食べ過ぎを繰り返して胃袋がおかしくなってくると、胸椎6、7、8盤辺りの左側が腫れてきます。
そうすると、背中はそちら側に引っ張られるように歪んできます。
これが一時的なものでなく、常習かすると、その歪みが固定されてしまいます。
そういう人は胃が丈夫(というよりは鈍感)なので、それでも食べすぎを日々続けてしまいます。
そうすると、こんどは腎臓や肝臓が疲れてきます。
腎臓が疲れてくるともっと下のほう、胸椎の10番、11番といった辺りから腰の丈夫までが腫れてきます。
そうすると、その疲れている側に腰が捻れてきます。
それがやがて、腰痛を引き起こします。
捻れがさらにひどくなると、腰だけでは足りず、股関節や膝まで捻るようになってしまい、痛み出します。
このような流れがあるので、膝が悪いから膝を、とか、膝は腰からくるので腰の歪み調整を…
ということでは済まされないのです。
腰が痛くなった、膝が痛くなったということで整体を受けに来られる人はとても多いです。
その大半の方は、腰の骨が歪んでいるのかもしれない、だから矯正してもらえば治るだろう・・・・
と考えておられるかもしれません。
そのように言う整体屋さんもいますしね。
しかし、その背後には、内臓の疲れ、さらには精神的な疲れといった様々な背景がある場合がほとんどです。
なので本当ならば、痛みが出て来たら、今までの生活スタイルを大きく変えるくらいの「見直し」が必要だということです。
なかなか治らない痛みなら、尚更です。
痛み、症状というのは、そのきっかけだと捉えて頂くと、その時が本当の意味での根本的な解決の始まりだということができるでしょう。