当塾ではごく稀にですが、整体や講座の際に「エネルギーが…」という言い方をすることがあります。
エネルギーといっても、決して「宇宙エネルギー」とか、「気のエネルギー」とか、そういう何だかよく分からないエネルギーのことじゃありませんよ(笑)
体力というか生命力というか、そのようなものだと思って下さい。
働く力とか、行動力とか、思考する力とか、とにかく活動する力、というようなものです。
ちょっとややこしい話になりますが、それは栄養・カロリーというものとは別です。
それらは「エネルギー『源』」です。
どんなにエネルギー源をたくさんとっても、たくさん働けるわけじゃないし、頭がしっかり働くわけでもありません。
むしろ、栄養の取り過ぎの人は、頭も体も、働きが悪いことのほうが多いです。
自動車に例えると、エネルギー源はガソリンですよね。
ガソリンが満タンだから、よく走る、というわけではありません。
実際は、ガソリンが車を動かしているわけじゃなくて、ガソリンを燃やして、エンジンを回転させるという、その「働き」があるおかげで車が動くわけです。
その「働き」のことを、「エネルギー」と表現することがあるんです。
で、当塾で、どういうふうにその「エネルギー」の話をするかというと・・・
「エネルギーを使い切ってないですね。」
というようなことを言うことがあるんです。
要するに、エネルギーが余っている、ということです。
実は、病気の人の多くが、この「エネルギー」を余らせているんです。
普通、病気のときというのは、体力が低下していて、「エネルギー」的なものは低下しているような印象があるかと思うんです。
でも、実際は、逆の場合が多いんです。
思う存分、そのエネルギーを発揮していない為に、病気という形で発散しようとしているんです。
風邪なんていうのはその典型で、本当に体力のない人は風邪なんてひけないんですね。
人が眠るのは、エネルギーのチャージのためです。
だからエネルギーをしっかり使い切ると眠くなります。
そして、すぐに眠りに入ることができるし、チャージが終了すればサッと目覚めます。
それは、頭だけが疲れた時とか、体の一部だけが疲れた時のような、ぼんやりした眠気とは全く質の違うものです。
むしろ、そういうスッキリしない眠気を感じている人ほど、実はちゃんとエネルギーが空になっていないんです。
使い切っていないんですね。
だから眠りも浅くなるし、エネルギーが余ったまま寝ているから、いつもそのエネルギーが新鮮じゃなくて、濁っているんです。
体も、心も、頭も、キレが悪いんです。
だけど、思い切り体も心も動かして、「バタン・キュー」と眠ることが出来た時ほど、眠りが深く、リフレッシュできているものです。
だから「体力の温存」などといって、休んでばかりいる人、体をかばってばかりいる人に限って、エネルギーが余り、病気で発散せざるを得なくなっているんです。
理想的には、使える体力は、全部その日のうちに使い切ったほうがいいんです。
お年寄りが「認知症」になるのも、その多くがエネルギーの余剰現象ではないかと思うんです。
家族の隅に追いやられ、まだまだしっかり持っている知力・体力を封じ込めてしまっているせいで、特異な言動で暴発してしまっているのではないか、と。
子供は、エネルギーに満ちあふれています。
むしろ、常に余り気味なくらいが正常です。
心身ともに、今日よりも明日のほうが大きくなっていくのが子供ですから、明日以降のエネルギーも少々持ち合わせているんでしょう。
だからいつも余り気味なんですが、その余剰が多すぎると、夜になってもなかなか寝てくれません。
だから寝付きの悪い子というのは、遊び足りていないんです。
大人の目から見れば、充分遊んでいるようにも見えますが、常に満タンの子供達にとっては、全然足りていないんですね。
子供が言うことを聞かずに反発するのも、大声でわめき散らすのも、大人しく座って勉強をしてくれないのも、エネルギーの余剰現象の表れの一つです。
特に子供は、頭を使うより、体を使うほうが効率よくエネルギーを使えますから、勉強よりも遊びが好きなのは当たり前なんです。
なので、遊びでエネルギーを発散してからのほうが、おとなしく宿題をしてくれる傾向があります。
ともかくそのエネルギーをしっかりと発散してくれれば、子供は瞬間的に眠りに就き、そして目覚めると同時にまたエネルギッシュに行動開始です。
そうしていると、常にエネルギーの「循環」のいい、さっぱりとした体と心が出来上がってきます。
大人も一緒ですが、エネルギーは使えば使うほど、循環がよくなり、元気になるんです。
眠りは、「チャージ」であると書きましたが、実際は補充するのではなくて、「湧いてくる」ものなんですね、生きている間は。
特に成長に向かっている子供は、もの凄い勢いで湧いてきます。
だから、出口がないと暴走するんです。
細いホースにもの凄い水圧で水を通したときのようなもので、ホースが暴れてしまい、手がつけられなくなってしまいます。
大人でも、お年寄りでも同じようなことがありますけどね。
ともかく、エネルギーが余ると、自分の体を壊したり、イライラしたり、余分な行動や見栄、心配事、考え過ぎ・・・などにそのエネルギーが注がれることになってきます。
病気の多くは、エネルギー不足よりも、過剰なんです。
だから現代人には、むしろエネルギー源が少ないほうがいいんです。
食べること、栄養を摂ることを考えるよりも、使うことを考えたほうがいいようです。
むしろ栄養価を落とし、減食したほうが体調がよくなる場合が多いですね。
病気の時に食欲がなくなるのも、「使い切ろう」という欲求が体の中に起こっているからです。
だけど、「食べなきゃ体に悪い」と思い込んでいる人は、一食摂れなかっただけで具合が悪くなるし、「食品添加物を摂ると体が濁る」と思っている人は、ちょっと悪いものを食べただけで体を壊してしまう。
これらはほとんど、思い込みが体に表れた例なんですね。
ともかく、寝て、食べてばかりいても、一向に体力はつきません。
そして、「体力がついたら行動しよう」「元気になったら働こう」といいながら養生ばかりしていたのでは、いつまでもその日は訪れないことでしょう。
今日一日のエネルギーをしっかりと使い切り、そして眠りにつく。
仮にそのエネルギーが本当に少ないならば、その少ないエネルギーに応じて使い切る、そうすると、また新しいエネルギーが、気持ちよく湧いてきます。
多分、私達の「一生」というのも、そういうしくみになっているんでしょう。
まだ死んだことがないので分かりませんが、死んだ後のことを考えるよりも、今現実に生きている、この一生のエネルギーを使い切ることのほうが、充実した、豊かな一生と言えるんじゃないかと思うんです。
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