季節外れの話になりますが、2016年の春は急激に暖かくなった時期がありました。
その結果、桜が一気に、スピーディーに開花したそうです。
そのかわり、早く咲いた桜は散るのも早いそうで、当初は「今年は桜が楽しめる期間が短い」とも言われていたのです。
しかし満開になる頃に突然寒波がやってきたせいで、散らずに残っている期間が延びた、ということを言っている人もいました。
これがどこまで正しいのかはわかりませんが、もしそうだとすると、寒さも決して悪いことばかりではありません。
これは人間の体でも同じことです。
「冷えは体に悪い」という考え方が常識です。
体を温めることで血行もよくなり、健康になる、という考え方もあり、積極的に様々な方法で温める健康法も数多く存在します。
当塾でも、部分的に温める温湿布や足湯などを勧めることもあります。
しかし、我々が暮らしている環境の中で、寒い季節が自然にある以上、やはり寒さも人間の体には必要性があるのです。
年がら年中、いつも温めてばかりいればいい、というわけではありません。
いつも温めていたのでは、体は自らを温める力を失い、それこそ「温室育ち」とでもいいましょうか、弱い体になってしまいます。
かと言って、寒い時期にわざわざ冷やす必要はありませんが、決して寒い思いを少しでもしてはいけない、ちょっと冷えただけで血行が悪くなって病気になるとか、すぐ風邪をひくとか、そういうわけではないのです。
むしろ「温室育ち」の人のほうが病弱であるということは、覚えておいたほうがいいでしょう。
少し話は逸れるかもしれませんが、皮膚に切り傷を作ってしまったとします。
よほど深い傷であれば、病院に行ってみてもらったほうが無難ですが、かすり傷程度のことでしたら、表面の汚れをさえ取れば、あとは空気にさらしておいた方が早く治ります。
絆創膏などで表面を覆ってしまうと、体は「傷がちゃんと覆われている」と判断し、修復を遅くしてしまうのです。
(実際には絆創膏と皮膚の区別ぐらいつきますし、絆創膏の下でも修復作業はちゃんと行われていますが、簡単に言うとそういうことです。)
それに、絆創膏を長時間していると皮膚がふやけてきます。
そうすると、かさぶたも出来にくいです。
とにかく何でもかんでも保護すればいい、というものではないんです。
これは、心の問題にも似たことが言えます。
心の傷も、もちろん深いものはそれに応じた手当てが必要です。
しかし、なんでも庇ってしまうとどんどん弱くなり、ふやけてしまいます。
ふやければふやけるほど、柔らかいですから、またすぐに傷つきやすくなる。
心も傷つけば痛みますが、ある程度の痛みは、空気にさらしておいたほうがいいのです。
しばらくはかさぶたに覆われて、かゆみや痛みが時々うずきますが、いつの間にか傷の存在も忘れ、さらには前よりも丈夫にさえなっていきます。
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