病気というものが何故起こるのかというと、それは、体や心、つまりその人にとって、合わないこと、不自然なことをしているから、だと思います。
それもかなり長期間に渡って、知らないうちに続けているから。
一度や二度どころか、5回や10回ぐらい合わないことをしても、人の体はなかなか壊れないものです。
心だって、「我慢」ということができるようになっていますから、実はそう簡単に壊れるものではありません。
それくらい、本当は人間の体や心というものは強いし、柔軟性のあるものなんです。
しかし、さすがにそれが毎日、長期間に渡って続いて来ると、いろいろと限界が出てきて、歪みがでてきます。
つまり、何らかの症状が出てきた時点で、「無理が続いていますよ」という体や心からの合図であるというふうに捉えるべきなんです。
では、何が合っていて、何が合わないのか、何が自然で、何が不自然なのか・・・
これはもう、人によって全然違ってきます。
その人の感性によって全く違うし、体の質も、実は生まれつき人によって違うものです。
だからこういうことは、とにかく自分の体や心の声に素直にならなければ、答えは出て来ないのです。
何を食べるといいとか、何を食べるとガンになるんだとか、お風呂は何度、睡眠時間は何時間・・・
洗剤を使っちゃだめだとか、衣類から毒が回ってくるとか、そんなことにばかり神経質になっていても、答えは出てきません。
むしろ逆に、そういうことにこだわり過ぎていると、余計にわからなくなるのです。
メディアから溢れてくる情報の声にばかり耳を傾けて、全く自分の声には耳を傾けなくなってくる。
しまいには、その情報通りに自分が出来ているかどうか、間違ったことをしていないかどうか、自分で自分を監視しながら、がんじがらめにしている人が非常に多いです。
「健康法」というものは、そういう縛りを多くするものではなくて、むしろそれらを解いていくことでなければならないと思うのです。
そして自分の体や心の声を素直に聞けること、その自分を認めてあげられること。
結果的にそれが、自分だけでなく、人の「個性」というものも認めてあげることにつながっていくのだろうし、とにかく健康である、自然であるということは、本来もっと自由で伸び伸びしたものであるべきだと考えています。