体操やヨガの教室に参加するとなると、自分自身の体の固さを気にする方が多いかと思います。
それでも続けていれば、ヨガ講師のように体が柔らかくなるのか??というと、実はそうではない場合も非常に多いです。
固い体と柔らかい体、どちらが良いかといえば柔らかい方が都合がいいことは多いですが、でも柔らかいからといって、それで病気にならないのとかといったら、全くそういうことはないんです。
体操のインストラクターやヨガ講師の人で、ものすごい柔らかい体をしていても、重い病気になっている人はたくさんいます。
そういう立場はあまり不摂生をしない人が多いでしょうから、不摂生が原因と思われる病気・・・たとえば糖尿病などになる率は低いかと思いますが、それでも様々な病気になっている人もいれば、腰痛、肩こりなどを訴えている人もいます。
ともかく体の固さ・柔らかさを直接的に病気になるかならないかの原因につなげるのには、ちょっと無理があるというか、誤解があるように思うんです。
まず、その人自身の体の固さ・柔らかさの『素質』というものが根底にあります。
元々固い素質の人は、どんなに頑張ってみてもある程度以上は柔らかくなりません。
たとえば、顕著に表れるのが前屈、開脚といったポーズです。
毎日トレーニングしていると、どんどん柔らかくなっていく人もいます。
一方、同じ回数だけトレーニングをしても、ほんの少しやりやすくなって程度で、そこから先が全く柔らかくならない人もいます。
その原因はいくつかあって、細かく挙げていたらきりがないので省略しますが、例えば背骨周辺、股関節周辺の状態などは、幼い頃の体の育ち方次第で大きく違いが出てきます。
それ以前に、生まれ持った『体癖』にも影響されていますし、精神(心理)的緊張などとも強く関連し合っています。
そういう様々な背景があるため、どうしても体操教室などで同じように訓練を続けても、差が出てくるのです。
ところが柔らかくなったほうの人は、自分が訓練によって柔らかくなったものだから、「誰もが訓練次第で体は柔らかくなる」と勘違いしてしまいがちです。
そして柔らかくなったほうの人達だけがさらに先へ進み、インストラクター等への道も開けて来るでしょう。
いっぽう、固いままの人は脱落していきます。
そうしてインストラクターさんはじめ、教室で成果を上げて行く人達をは皆柔らかい人ばかりになるわけですから、そこには柔らかい人だらけのコミュニティが出来上がってきて、「柔らかくなるのが当たり前」のように思えてくるわけです。
ますます、固い人には居場所がなくなっていきます。
ただ、固い人でも、その「ある程度」までの動きをしていくことには、とても大きな意味があります。
その人の体を硬直させないため、そしてその身体の能力を意地・発揮するために、動かし続けることはとても大事です。
大事なことは、その人なりの動かせる範囲をできるだけ最大限の状態に保つこと、本来持っているその人の範囲を狭めないこと、です。
その最大限の範囲が、ヨガ教室などでは「恥ずかしい」と感じるような固さであったとしてもです。
極端なたとえですが、そもそも足が大きく開かない、深く前屈が出来ないということは、例えば『背が高い』とか、『面長である』というような身体的な特徴にすぎない面もあるのです。
なので、固い人も固いなりに、かといって手を抜くわけではなく、動かせる最大限の範囲を意識しつつ、体操に取り組んで頂きたいと思います。
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