当塾の整体は、背骨、腹部、頭部を特に重要視しています。
全てそうですが、腹部も心理状態が色濃く表れている場所です。
頭部が比較的、思考状態や頭の働き過ぎに反応するのに対して、腹部はもっとシンプルで本能的、原始的な「感情」に反応しやすい場所です。
怒ったり、悲しんだり、喜んだり・・・子どもでも、動物でも持っているような感情です。
人間の場合はこうした感情を押さえ込むことが可能な動物で、それは頭が発達しているからこそなんですが、それでもやはり、動物と同じようにそれらの感情は常に持っていて、発生しているわけです。
それを抑えすぎることで、様々な問題が体や心の中に起こってきます。
押さえ込みすぎた感情は中で圧縮されて、内側から体や心を壊していきます。
そういう意味で、感情(腹部)と思考(頭部)は相反するようでいて、互いにバランスを取り合っているような関係でもあるんです。
たとえば何か、怒りの感情を強く感じるようなことがあったとします。
それは一度だけのことかもしれませんし、継続的なものかもしれません。
どちらの場合でも、それを無理矢理に押さえ込んで、顔では笑っていたとします。
そういう怒りの感情をこらえている状態を、「腹の底ではマグマが煮えたぎっている」と例えられる場合があります。
マグマは噴火することができず、内側で煮えたぎっているのですが、何とか頭を冷やして冷静に自分に言い聞かせ、その熱を冷やしていくことができたとします。
しかし、吐き出されることのなかったマグマは、溶岩のような塊となって、腹の中に残っていることになります。
しかし、その溶岩の内側は常に熱を持っているのです。
ちょっとしたことがきっかけでその出来事を思い出し、また怒りが沸々とわき起こります。
だから常に、頭の力でもって冷却を続けなければならないのです。
つまり頭を常に緊張させていると同時に、お腹にも塊(緊張)を抱えていることになります。
お腹のマグマが暴れださないように、お腹の筋肉にも常に力を入れているのです。
まさに「腹にこらえる」という状態です。
しかしそれも日常的になっていると、自分が頭やお腹に力を入れていることすら分からなくなってきます。
そのような無意識の溶岩をお腹に抱えている人が実に多い・・・というより、誰でも多少は抱えているものです。
それがあまりに多い人が、自覚の有無にかかわらず体や心に何らかの不調を抱えているのです。
そのため、当塾では整体の際に、必ずお腹と頭部を見て、何らかの操法を行うことになっています。
「腹を割る」「腹の内をさらけ出す」というのは、腹の中で押さえ込んでいたものをさらけ出すことを言います。
頭で考えた利害関係を通さず、ありのままにさらけ出すことです。
しかし実際は、他者に対して吐き出さなければいけないわけではないんです。
まず、自分がその素直な感情を認めることが第一なのです。
多くの人は、その感情自体を「こんなことは考えちゃいけない」と、自分に対してブレーキをかけているのです。
整体法による腹部の操法は、そのブレーキ解除の手助けになります。
ただ、中にはかなり協力な力でブレーキをかけている人も多くて、解除することに手間取る場合もあるんですが、実はそういう人ほど、まったく自覚がなかったりするんですね。
だから涼しい顔をして、「自分は素直に生きています」「リラックスしています」なんていうことを言っているのですが、お腹(と頭部)をじっくりと見ればそれが本当かどうかは分かってしまいます。
体は嘘をつけないし、本人の意思よりも正直に自分のことを物語っているのです。
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