ゴールデンウィーク以降は徐々に湿度が高くなり、蒸し暑い梅雨・夏へと向かっていきます。
なのでこれからは、体の中の水分と熱の循環と放出がとても大事になります。
うまく汗を出せない人は、体を冷却することができずにとても苦しくなります。
外から水をかけることは、体が熱くなりすぎた場合の応急処置的な効果はありますが、汗は体の内側の熱も外側に運び出してくれます。
また、適正な体温を維持するためには、呼吸器の働きも重要です。
汗をあまりかけない動物は、暑くなると口を開けてハァハァと息をして、体内の空気を入れ替えています。
人間は汗で体温調整ができるといっても、それだけでは足りない場合もあります。
さらに汗をうまく出し切れない体の人は、その分呼吸器に負担が増える事になります。
なので、これからの季節は、汗を含む体内の含む水分の代謝を司る腎臓、そして呼吸器の働きがとても重要になってきます。
が、さらにもう一つは、発汗が盛んになるのに伴い、解毒の役割を担う肝臓も盛んに働き出します。
(実際は解毒ためだけに盛んになるのではないのですが。)
まだ、さほど暑くはありませんから、とりあえず当面目立つのは肝臓の働きでしょう。
だけど、今のうちに発汗や呼吸を深くする準備が体の奥では始まっています。
それらをスムーズに遂行しておかないと、暑くなってからでは少々遅いわけです。
当塾の体操教室では、こういった季節の変化に合わせたメニューを行っています。
たとえば、ろっ骨を開く横倒しのポーズや背伸びの体操などをすると、その場で汗が出始める人もいます。
胸が広がって、自然に深呼吸ができるようになる人もいます。
的を絞った体操をすると、それくらい体は変化するんです。
私達人間は、真夏の暑い日でも外で長時間働くことができる能力を持っています。
たとえばサッカー選手などは、断続的ではあるけれど、90分間かなりのスピードで走り続けます。
マラソン選手なんて3~4時間休まずに走り続けるわけで、これはやはり人間の発汗能力が優れているからだと言われています。
そして、スポーツ選手や肉体労働者は呼吸器が丈夫な人が多いです。
ところが近年は、この発汗能力や呼吸器の力が弱い人が多くなっているようで、熱中症患者が年々増えているのは、単に暑さが厳しくなっているからではなくて、現代人の体の問題のせいなんじゃないか、と思うのです。