離乳食

授乳期間が長引くと、お母さんの体力が消耗するという話を先日書きました(こちら)。

そして、適切な時期に断乳(卒乳)をするには、それまでに、赤ちゃんにしっかりとした食べ物を与え、栄養をつけさせることが大事だという話でした。

しかもそれは、主に動物性のタンパク質だということに、驚かれた方もいらっしゃるかと思います。
その意味は書いた通りなんですが、もう一つ違った側面から、きちんと赤ちゃんが必要とする食べ物を与えることの重要性があげられます。

それは、赤ちゃんとお母さんの『信頼関係』を構築する、ということです。

 

人間の体は、自分の体が求めているものを「美味しい」と感じます。

大人の場合は、いろいろ余分な「煩悩」とでもいいましょうか、酒の飲み過ぎやお菓子の食べ過ぎのように、体には本来合わないものまで欲しくなってしまう面もあります。

しかし、赤ちゃんにはまだそれがなく、赤ちゃんの欲求は全て「生きていく上で必要なもの」なわけです。

それをきちんと与えられるということは、生命の欲求を満たされるということです。

少々大げさな表現に聞こえるかもしれませんが、赤ちゃんにとっては、食べる事、安心して眠ること等、ごく当たり前のことが最大の生命活動です。

それらが満たされることで、母親に対する信頼が芽生えると同時に、自分が大切にされている実感を感じるわけです。

赤ちゃんにとっての「社会」というのは、ほぼ母親との関わりですから、その信頼関係は自分以外の存在全てとの信頼関係のベースになります。
ところが、母親が「絶対に植物性のものしか食べさせないのだ!」という強い信念を持っていると、赤ちゃんの本当の欲求は無視されることになります。

赤ちゃん自身も将来、「自分の欲求」に自信を持てないようになりかねませんし、自分が生まれて来たこの世というのは、決して満たされることのない世界なんだと、潜在的に感じるようになってしまいます。

この物心つく前の境遇というのは、意外にも、生涯にわたる「心の下地」として、強く影響を与え続けるのです。
それはまだ、意志に記憶として刻まれない「潜在意識」の体験だから複雑です。

本来、体に合わない食べ物はおいしく感じませんし、食べてもじゅうぶん消化されずに排泄されてしまいます。

そういうものばかり食べていると、いくら食べても満足感が得られないまま育っていきます。

いつまでも薄くなった母乳で育てられた子も同じです。
しかしそういう子達も、いずれ何かの拍子に、とても満足のいく美味しい食べ物に出会うことになります。

それが、化学調味料を大量に使用したお菓子類です。

そういうお菓子は、どんな人でも「美味しい!」と感じるように科学的に作られているものです。
また、必要なものを食べさせてもらえず育った子は、「家で食べるご飯はおいしくない」「お母さんが作ったものでは物足りない」という先入観が潜在意識に根付いています。

なので、家のご飯を食べずにお菓子ばかり食べるとか、外食の時だけ喜んで食べるとか、冷凍食品やレトルト食品ばかり食べる、というようになってしまいます。

幼い頃から厳しい食事制限を受けていた子ほど、その傾向が強いです。
ただ、親としては「食事制限」などしたつもりがなくても、たとえば離乳食におかゆと野菜ばかりあげていたというのでは、赤ちゃんにとっては厳しい食事制限と同じことなんですね。

いくつになっても野菜嫌いが続いている子も、幼い頃に野菜ばかり食べさせられていた影響が考えられます。

 

もちろんこれらは、当塾における一つの考え方にすぎません。

否定的な意見を持たれる方もいらっしゃるでしょうから、参考意見の一つとして捉えて頂ければと思います。

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