セミナーやセラピー後のモチベーションが続かない理由

自己啓発セミナーやセラピーを受けた後に盛り上がった気分も、やがてガクンと落ち込むことが多いという話もよくあります。

その理由についてはいろいろですが、結構ありがちでありながら、気づいていない人が多いパターンを一つ挙げてみたいと思います。

 

それは、実はそもそも、セミナーの後に盛り上がった気分自体がニセモノだった、というパターンです。

こういったセミナーやセラピーを受けるのには、それぞれの動機、目的があるはずです。
そして、その目的が達成されることを願っているはずです。
しかもできるだけ早く。

できればそのセミナーやセラピーが終わった時にはもう自分が変わっている・・・なんていう結果を望んでいます。
ましてや高いお金を払って受けたセミナーやセラピーならば尚更。
早い人は、受けられることが決定した時点で、気分だけは高揚していたりもする。
「これを受ければ、私は変われるんだ!」と・・・。

 

こういう人に共通する特徴は、成果を想定することが上手いという点です。

このセミナーやセラピーを受けたことで、どのような自分に変わっていれば成功なのか?
セミナー終了後にはどんな考え方を身につけていて、どんな言動をするようになっていて、どんな価値観を持っていれば正解なのか・・・

まるでテストの答えを考えるときのように、正しい成果を考え出すのがうまいのです。

つまり、本当に自分がそうなっているのではなく、その正解を予測し、正解通りにふるまうことが上手いだけなのです。

もっと極端に言えば、よくセミナーの宣伝の中に、「受講者の感想」というのがあるでしょう?

セミナーを受講した人が、「いろんなことにこだわらなくなりました」とか、「数々の思い込みを手放すことができました!」とか、ポジティブなことを言っているやつです。

こういう台詞を考えるのがうまい人です。

こういうことを上手に言えると、セミナー講師やセラピストからも太鼓判を押してもらえます。

「あなたはこれで大丈夫!今までのあなたとはもう別人ですね、自信を持って!」というように。

しかしそれは、所詮いい成績を出すため、いい点数を取るための一夜漬けの勉強の成果みたいなものです。

やがて実は変わっていない自分がまた顔を出して来て、ショックを受ける・・・

 

こういう人は、きっと昔から「正解を出す事」がうまかった人に多いのです。

様々な場面で、どういう態度を取れば正解なのか、どういう受け答えをすれば正解なのか、どういう選択をすれば正解なのか・・・など、「自分がどうしたいか」ではなく、正解の基準を自分以外のところに求めていた人。
具体的に言えば、どうすれば親に受け入れてもらえるか、どうすれば親に「いい子」として可愛がってもらえるか、常に顔色をうかがう癖がついている人に多いでしょう。

本当ならばどんな自分でも、ありのままを可愛がってもらえるべきなのに、それが叶わなかった子です。
しかしそのまま大きくなっていくと、本当の自分とのギャップに苦しむことになります。

そうして苦しむ人こそ、本当はそういったセミナーやセラピーが必要なのかも知れません。

しかしそういう人こそ、セミナーやセラピーでも正解を出そうとしてしまう・・・という、やっかいな連鎖が起こっているのです。

 

当塾のCD「願望実現法」シリーズの中では、少々厳しい話もしている部分もあります。

また、当塾に馴染みの方からの質問に対して、時々私は予想を裏切るような答えをすることがあります。
それは、一言で言えば、この連鎖を断ち切るためです。

場合によっては、水をかけられたような気分になる人もいるかもしれませんし、少なくとも、よくあるセミナーの直後のようなハイテンションにはならないでしょう。

「う〜ん」と考え込んだまま帰る人もいます。

 

しかし、正解なんて、そんなにポンと出るものじゃないんですよね。

ポンと出た正解は、同じようにポンと消えます。

心や体に何かが「染み込む」というのは、ジワジワと、気がつかないうちに同化していたというようなものがほとんどだと思います。

 

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