年末年始は忙しさや精神的な慌ただしさで体調を崩す人が多いのですが、もう一つ、年末年始の体調不良の大きな原因になるものがあります。
それは、暴飲暴食です。
年末には、忘年会を始め、ついつい食べ過ぎ、飲み過ぎとなる機会も多いですしね。
でもそれよりも、年末年始の休暇に入ってから、特にお正月に食べ過ぎ/飲み過ぎてしまい、それで疲れが出ている人のほうが多いようです。
仕事が休みなせいで、普段より動く量が減るのならば尚更です。
毎年1月の10日が近付く頃になると、その影響で体をおかしくしている人が来られることが続きます。
食べ過ぎの影響というと、胃腸の不具合とか、体重の増加とか、そういう症状として現れるというイメージが強いかと思います。 しかし現実にはそれだけではなく、食べ過ぎとは結びつかないような症状として表れることのほうが圧倒的に多いです。
たとえば肩こりとか、首の寝違えのような痛みなども、食べ過ぎが背景となっていることが多いです。
腰痛、ぎっくり腰のような急な症状も、背後には食べ過ぎ飲み過ぎがある場合が非常に多いです。
実際、1月には腰を痛める人が多いです。
その他、腱鞘炎のような腕の痛み、咳、背中の痛み、むくみ、頻尿、水虫、皮膚炎、のどの痛み、眼病、脳卒中、頭痛、息切れ、冷え性、倦怠感、無気力、イライラ・・・ さまざまな問題の背景に、実は「食べ過ぎ」があるのです。
膝の痛みなども、実は食べ過ぎが原因で起こることが多いです。 体重の重さの問題ではなくて、内蔵の疲労によるものです。
食べ過ぎかどうかは、背中を見ればすぐに分かります。
体が求めている以上に食べ過ぎると、背中の真ん中あたり(やや上)、背骨の左脇が腫れたように盛り上がってくるのです。
これは端的に言うと、胃袋の負担を表しています。
ちなみに、胃袋の感覚…「満腹中枢」と言われているようなものですが、これはかなり麻痺している人も多いので、「満腹でなければ食べ過ぎではない」というわけでは無いんです。
ただ、本来の正常な胃袋のキャパというのは、その時、その人が本当に必要としている食事の量によって変わります。
その人がまだ前の食事で摂ったエネルギーを使い切っていなければ、胃が空になっていても食欲を発しません。
つまり胃というのは、単に食べ物を消化する消化器であるだけでなく、優れた「感覚器」なんです。
で、その感覚が鈍り、必要以上に食べ過ぎてしまっている人が、背中のこの部分を腫らして固くしているのです。
すると、この部分を中心に背中が丸くなります。
食べ過ぎが続くと、その「腫れ」の範囲は上下に広がります。 (横にも広がるので、右側にも現れます。)
その結果肩もこりやすくなるんですが、それでも鈍い人は肩のコリを感じません。
感じない人でも、肩はしっかり固くなっています。
そして上に上がっていて、首が短く見えるようになっています。
その背中の部分と肩の間には、心臓の中枢があります。 呼吸器の中枢もあります。
だから、肩が盛り上がっている時点で、実は既に心臓にも呼吸器にも、かなり負担がかかっています。
ただ、その自覚がない人も多いから恐いのですが・・・
食べ過ぎても、胃の丈夫な体質の人は、胃が痛くなりません。
むしろ胃が伸びて広がり、いくらでも食べられるようになってしまいます。
その結果、今度は肝臓が疲れてきます。
体が求めている以上の栄養を摂ってしまうので、その分解が間に合わないのです。
また、体に悪い物も多く摂っていますから、解毒も大変です...というか、解毒し切れません。
その結果、血液が濁ります。
やがてそれは、腎臓に影響します。
腎臓(背中の下部)が疲れると、腰が重くなり、腰痛になったり、背中が痛んだりもしますし、血液の濾過ができず、ますます血が濁ります。
すると脳の働きまでおかしくなってきて、頭痛がしたり、頭がうまく働かなかったり、精神状態にまで影響が表れてくる場合もあります。
極端な例では、慢性的にこういう体の人は糖尿病になることが多いのですが、糖尿がひどくなると、必ず性格にまで変化が出てきます。
気が短くなったり、頑固になったり、重症の場合は記憶や情緒にまで問題が生じます。
色々と脅すようなことを書きましたけど・・・ただ、これらを防ぎ、解消するのは、要するに暴飲暴食を避け、また、食べ過ぎてしまったならば、その後は飲食を減らす、ただこれだけです。
口でいうほど簡単なことではありませんが、やはりこれが最善。 年末年始に限らず、慢性的に上記のような症状があるような人なら尚更です。
普段食べ過ぎているにもかかわらず「栄養バランスが悪いんだ」「カルシウムが足りないんだ」と気にしている人もいますが、バランスや成分を考える前に、まずは量の問題を考える必要がある人がほとんどです。
これはもう、今までに見て来た多くの人の背中が物語ってます。
かといって、無理に「断食」を勧めるわけではなくて、ともかくまずは少なめにする、それだけで違いが現れてきます。
昔から、1月7日には「七草粥」を食べるという習慣があります。
これは一説では、正月の胃の疲れを取るためのものだと言われていますが、本当のところは、七草の薬膳効果で胃を休めるものとは違うと思うんです。
七草は決して、胃に優しい食材ではありません。
味も苦く、食べやすいものではありません。
一度に多く食べると気持ち悪くなります。
本来、これらを食べるということは、まるで犬が具合の悪いときに草を食べるようなことに近いんじゃないかと思うんですね。
消化不良を起こさせ、排泄を誘導するような、そして他の余分なものを食べたくなくさせるために食べるものです。
だからもし、弱った内蔵を七草粥で休ませたいのならば、他のものは食べないようにしないと全く意味がないわけです。
しかも、さんざん弱った内臓を本当に休めるためには、1月7日だけ七草粥で過ごしても意味がなくて、しばらく続けなければその効果はありません。
なのでやっぱり、七草粥は、本当の意味で内蔵を休めるためのものというよりは、無病息災を願うおまじない的な風習と捉えた方がいいのかもしれませんね。
それから、1月7日を過ぎる頃から、風邪をひく人、インフルエンザにかかる人が増えます。
これも、食べ過ぎている人、内蔵が疲れている人に多いです。
ただ、この時期の風邪はそれに限りませんが(春に向けての体の準備もこの時期に始まるため)、とにかく風邪をひいた時も、自然に食欲が湧くまでは数日まともな食事をしなくても大丈夫です。
むしろ、余分な栄養を燃やすために風邪をひき、熱を出しているようなものですから。
いずれの場合も年末年始に限らない話ですね。
ただ、人間にとって、食べるということは単に栄養補給のための行為ではなくなっています。
そこには「快楽」の要素も強くあって、ストレス解消のために食べる、という場合も多くあります。
だから簡単に辞めることができないのですが、それでも長い目で見ると、そのストレスによる食べ過ぎの結果、体と精神面のバランスが崩れ、余計ストレスを抱えやすい心身になってしまうという、悪循環に陥ってしまっている人がとても多いのも事実です。
そういう意味では酒やタバコと同じですが、酒やタバコと違って、食欲という本能の部分とだぶっているだけに、大目に見られやすい傾向があるようです。
しかし今まで長い間、人の体を見て来た経験上、酒やタバコで体を壊している人よりも、食べ過ぎで体を壊している人のほうが圧倒的に多いです。
ちなみにお酒でいうと、肝臓を壊す人よりも、ビールで腎臓を疲れさせている人のほうが多いです。
アルコールそのものの害よりも、一度に多くの量を飲むこと(水分、糖分の過剰摂取)が原因でしょう。
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