つい先日、整体の際に「心の癖・体の癖」についての話になりました。
日々、母親の介護を一生懸命しているんだけど、どうしても親がその介護を受け入れてくれない、と仰るのです。
話を聞くと、母親は『開閉型の9種』というタイプ。
ご本人(娘さん)は『上下型の2種』というタイプの親子です。
たとえば、几帳面な娘さんは、こまめに部屋を掃除します。
散らかっているのが嫌だし、不潔にも思える。放っておくとゴミがどんどんたまっていきそうで恐い。
だけど9種の人は、身の回りに置いてあるものを捨てられるのが嫌なんです。
汚れたハンカチでも、破れたメモ用紙でも、しわくちゃになった古いチラシでも、食べ残したお菓子でも、自分が手をつけたもの、自分の関わったものは、できるだけ取っておきたい。
古くなったからといって、新しいものに取り替えたくないんです。
気に入ったものはいつまでも使っていたいし、側においておきたいんです。
新品の毛布よりも、自分の匂いがしみ込んだ使い古しの毛布のほうが心地いいんです。
それを捨てられることは、まるで自分の体の一部、人生の一部を捨てられるかのような、そんな感覚なんですね。
しかも、それが他者の手によって勝手に行われる事が我慢できない。
自分の世界に他者が勝手に侵入して来たかのような気になるんです。
それがひどくなると、泥棒に入らたような気分になる・・・
だから、娘さんがよかれと思って一生懸命掃除をすればする程、お母さんはそれを嫌がるんです。
寝ている間にいろんな物が処理されていたら、「娘は私の大事なものを盗むんだ!」なんていう事を言い出しかねない。
だけど、娘さんにしてみれば、お母さんがそんな感受性を持っていること理解できません。
だから「お母さんがおかしくなっちゃった、もっと一生懸命に面倒見てあげなくちゃ・・・」とさらに一生懸命になり、より細かくお母さんの身の回りの世話をしようとする。
だけどお母さんは、それが息苦しくて仕方なく、さらに反抗的になる・・・
そんな悪循環に陥ってしまったりするわけです。
お母さんの環境を、娘さん自身が心地よいと感じる環境と同じものにしようとした結果、このようなすれ違いが出来てしまったのです。
この『感じ方の違い』があることを知らずに、起こってしまった問題なんです。
こういうことは、多くの家庭で、職場で、学校で、起こっていることなんじゃないかと思います。
やはりこの「違い」ということ、心のしくみ、体のしくみということを、きちんと分かっておくことは大事だと思うんです。